「社内イベントに関するコミュニケーション調査」発表のお知らせ

「社内イベントに関するコミュニケーション調査」を発表しました

JTBグループで様々なコミュニケーションサービスを提供する株式会社JTBコミュニケーションデザイン(東京都港区、社長:細野 顕宏、以下JTBコミュニケーションデザイン)は、ワーク・モチベーション研究所にて、「社内イベントに関するコミュニケーション調査」の報告書をまとめました。 本調査では、業務のデジタル化やITの導入により、職場における社員同士の交流が減少している状況を鑑み、社員同士の交流の場となる社内運動会やパーティ、周年記念イベントなどの「社内イベント」について分析しました。 今後の企業経営における社内イベントの意義と方向性、具体的な方法などを決める資料として提示し、企業内のコミュニケーションデザインを考える上での一助となることを目的としています。

 

<主な調査結果>

 

1. 社内イベント(全社会議、表彰式、パーティ、社内運動会、周年記念イベントなど)は、

 ・全体の58%が、「人と直接会って話ができる良い機会」と肯定的意見。
 ・社内イベントの効果は、「職場コミュニケーション」「部門間連携」「モチベーション」の向上。

2.好まれる社内イベントは、インパクトと主体的コミュニケーション。
  手作りの社内イベントには、「めんどくさい」社員の心理的負担と、豪華さ不足への懸念か。

 ・参加したい社内イベント :1位「感動する」、2位「豪華」、3位「話せる」社内イベント
 ・参加したくない社内イベント :1位「自分の手で作り上げる社内イベント」

3.社内イベントの成功要因では、要因のインパクトが低下。マンネリ傾向か。

 ・社内イベントの成功要因 :1位「社員全員が集まる」、2位「参加型」、3位「会社や同僚を知る」
 ・社内イベントの失敗要因 :1位「一部の社員のみ」、「聞くだけで退屈」、3位「マンネリ」

 

<調査概要>

 

・調査方法  :インターネットリサーチ
・調査地域  :全国
・調査対象者 :20歳以上の会社員、会社が主催する社内イベントに参加した経験のある男女、会社規模:500名以上
・有効回答者数:618サンプル(男性:456サンプル、女性:162サンプル)
・実施期間  :2016年12月22日~12月23日

 

1-1.社内イベントは、「人と直接会って話ができる良い機会」58%
   特に、女性と、30代で社内イベントへの肯定感が強い。

 

勤め先の会社が主催する社内イベントについて、どう感じるかを聞いたところ、全体では、「社内イベントは、人と会って直接話ができる良い機会だと思う」が58%に上りました。特に、女性の67%、年代では30代の73%が「良い機会」と回答しました。

女性と30歳代は、「社内イベントは、社長など経営陣から直接話を聞く良い機会だと思う」「以前よりも、社内のイベントに「参加してみたい」「参加してもよい」と思うようになった」に対しても、男性や他の年代よりも高い割合で、肯定の回答をしています。

 

 

1-2.社内イベントの効果は、1位「職場の中でコミュニケーションが増えた」、
   2位「他の部門と仕事がしやすくなった」、3位「仕事に対するモチベーションが上がった」

 

社内イベント実施後の職場の変化について聞いたところ、全体では、「職場の中でコミュニケーションが増えた」(51%)が最も高く、以下、「他の部門と仕事がしやすくなった」(43%)、「仕事に対するモチベーションが上がった」(37%)が上位に挙がっています。

2012年、2015年調査と比較をしても順位に大きな変化は見られませんでした。

 

 

2-1.参加したい社内イベント、1位「感動する」、2位「豪華」、3位「話せる」。

 

参加したいと思う社内イベントについて聞いたところ、「感動する社内イベント」(68%)が最も多く、以下、「豪華な施設や食事などが設定された社内イベント」(67%)、「社内のいろいろな人と話ができるイベント」(67%)、「何かを学んだり、学びを仕事に活かしたりできる社内イベント」(66%)が、ほぼ同じ割合で選ばれました。

感動や豪華さなどのインパクト、話したり学んだりという「主体的なコミュニケーション」を含む社内イベントが求められていることがわかりました。

 

 

2-2.参加したくないイベント、1位は「自分の手で作り上げる社内イベント」。

 

参加したくない社内イベントとして、選ばれる割合が多かったのは、「社員が、自分の手で作り上げる社内イベント」(55%)が最も多く、以下、「体を動かしたり、スポーツなどをする社内イベント」(48%)、「会社の方向性と一致したテーマやコンセプトの社内イベント」(47%)、「最新のテクノロジーを使った目新しい社内イベント」(46%)が、ほぼ同じ割合で選ばれました。

「自分の手で作り上げる社内イベント」が参加したくないイベントとして挙げられたのは、「プロジェクトに巻き込まれたら嫌だ」と、企画側としての参画を、業務の多忙さから「めんどくさい」と危惧している可能性、また、イベント参加者としては、手作りのイベントに対して、イベントの質や豪華さといった点で満足できていない可能性が考えられます。

 

 

3-1.社内イベントの成功要因は、
   1位「社員全員が集まる」、2位「参加型」、3位「会社や同僚について知る」
   ただし、いずれの要因も、満足度は低下。

 

社内イベントの良かった点について聞いたところ、「社員全員が同じ場所に集まったこと」(48%)が突出して高く、次いで、「参加型で、自分たちも一緒に楽しめたこと」(29%)、「会社や同僚・上司について知ることができたこと」(26%)が上位に挙がりました。

2012年、2015年の結果と比較すると、多くの要因で徐々に満足度が低下しており、一つ一つの要因のインパクトが低下していることがわかります。

 

 

3-2.社内イベントの失敗要因、
   1位「一部の社員のみ」、「聞くだけで退屈」、3位「マンネリ」
  「聞くだけで退屈」「社長の話が長い」という不満は、前回より改善された。

 

社内イベントの良くなかった点について聞いたところ、「一部の社員のみだったこと」(26%)と、「一方的に聞くだけで退屈した」(26%)が最も高く、次いで、「毎回同じ内容で、マンネリ感があった」(23%)が挙げられました。

2012年、2015年の結果と比較すると、「一方的に聞くだけで退屈した」「社長や役員の話が長すぎた、または共感できなかった」という回答は減少しています。近年の社内イベントは、参加者を退屈させないように、双方向の企画を入れる等、社長の話が長くなり過ぎないように配慮して運営されていると推測されます。

一方、「一部の社員のみだったこと」は徐々に増加しており、この項目への不満は根強くあることがわかります。また、今回の調査から質問を始めた「毎回同じ内容でマンネリ感があった」も、1位、2位と僅差で多くの回答者から選ばれており、マンネリ感が社内イベントにおける大きな課題であることがわかります。

 

 

<まとめと提言>

 

マンネリを打破し、感動と一体感のある社内イベントで、 社内コミュニケーションを活性化する

本調査の結果から、社内イベントに参加したことのある社員の6割が、社内イベントに対して「良い機会」という肯定的な感情を持つことがわかりました。社内イベントを開催した後は、「職場の中でコミュニケーションが増えた」「他の部門と仕事がしやすくなった」等の効果が報告されています。

社員は、社内イベントに感動や豪華さ、いろいろな人と話せることを望んでおり、手作りなどの負荷を嫌う傾向もあるようです。また、「聞くだけで退屈」「社長の話が長い」等の不満は解消傾向にあるものの、成功要因に対する満足度は全体的に低下し、一部の社員のみであることへの根強い不満や、マンネリに対する不満があることもわかりました。

今後の社内イベントには、感動できたり、豪華さを感じたり、1人1人がいろいろな人と話したりできるような企画と演出が求められます。また、社員の負荷が高くなり過ぎないような配慮も必要でしょう。まずは、肯定感を持っている層に働きかけて、社内でムーブメントを作る等の方法も考えられます。

全社員が一堂に会することは容易ではありませんが、社員からの要望が高く、実現した場合の効果は大きいと言えるでしょう。IT技術により、離れた場所でも、時間を共有する等の方法で一体感を醸成できる場合もあります。

社内イベントは、会社と社員、部署と部署、店舗と店舗、上司と部下などの、社内の様々なコミュニケーションをより円滑にし、社員のモチベーションを向上させる起点となりえる場です。定期的に開催していた社内イベントを見直し、新たな視点で考え直すことで、社内イベントの効果を高め、社内コミュニケーションの活性化につなげましょう。


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