JTB 過去最大規模の社内イベント 成功の秘訣。主催者と共創で作り上げた イベントプロデュースの裏側
株式会社LIXIL住宅研究所 様 【企業イベント】2022年度アイフルホーム全国大会
FC加盟店全国大会を初のハイブリッド開催。距離を感じさせない臨場感でリアル以上の価値を創出
フランチャイズ(以下、FC)経営のハウスメーカー「アイフルホーム」を運営するLIXIL住宅研究所は、2022年6月、コロナ禍でリアル開催を見送っていた全国大会を3年ぶりに実施した。2019年までは、全国のFC加盟店が集う大規模なリアルイベントだったが、過去2年は新型コロナウイルスの感染状況を鑑みオンライン開催で実施。今回は、参加人数に制限をかけながらリアル会場での実施に踏み切るとともに、その他の社員や関係者がオンラインで参加する「ハイブリッド開催」に初めて挑戦した。そして、リアル・オンライン双方の参加者に同じ熱量、空気感を共有してもらうことに成功し、FC加盟店からも高い評価を得た。いかにしてリアル会場とオンラインの距離を感じさせないイベントを成功させることができたのか? 従来のリアル開催以上の価値をどのように生み出したのか? 全国大会運営事務局の3名に、初のハイブリッド開催を振り返っていただいた。
表彰イベントのリアル開催を断念した2年間、FC加盟店から上がった声は「みんなに会いたい」
鵜之沢氏
アイフルホーム全国大会は、年に一度加盟店が一堂に会する大イベントで、1989年から実施しています。開催目的は、「経営方針・戦略の浸透、加盟店社員⼀⼈ひとりのモチベーションUPとアイフルホームFCの結束強化」。インセンティブイベントとして優秀者を称え、1年の頑張りをお祝いする場であるほか、加盟店が顔を合わせて対話し結束を高められる場、本部の方針を浸透させて目標を共有する場として機能しています。
山本氏
従来の全国大会は、加盟店の社員や家族、協力業者など約1,000名が参加する大規模なイベントでした。コロナ禍で2020年度からリアル開催を見送りましたが、加盟店からリアル開催要望の声が多く上がり、2022年度はなんとしても開催しようと、実施可能なプランを検討しました。長年、同じ様式を踏襲していたこともあり、これを機に本部から変わっていかなくてはという思いもありました。
過去に縛られない大会演出の可能性を感じたハイブリッド開催
山本氏
世の中の動きを見ていて、ハイブリッド型のイベントは今後主流になるだろうと考えていました。オンライン開催にすれば、遠地の人やご家族など多くの人が参加できる、広く見てもらえるという利点があります。一方で、加盟店からは「顔を合わせたい」という要望も強く、その期待にも応えたい。1,000人規模のリアル開催はまだ現実的ではありませんが、人数を絞ってでもリアルイベントを開催し、会場に来られないメンバーにはオンラインで参加してもらう、両者のよいところを活かしたハイブリッド開催を志向するのは必然でした。
倉井氏
ハイブリッド開催に向けて、社内でも検討を進め、各社から提案を受けました。その中でも、JCDの提案は、コンテンツが豊富でワクワクしました。「STORY OF OUR WAY」というテーマで、リアル会場には大スクリーンをBook型に2面配置し、それぞれのストーリーが展開されていく演出を提案いただきました。特に、ストーリーにあわせた映像提案とそのクオリティには、感銘を受けました。リアルでもオンラインでも、ストーリーや映像は重要なファクターです。過去に縛られない手法、今までとは違う全国大会が演出できる印象をもちました。
リアル・オンライン双方をインタラクティブにつなぎ、FC加盟店の個性を発信
倉井氏
一番の懸念は、リアル参加者とオンライン参加者に温度差が生じるのではないか、ということでした。その不安を払しょくするために、JCDからはリアル・オンライン双方の参加者が没入感をもって参加できるコンテンツを提案していただきました。たとえばオンライン参加者向けに、タレントさんによるトークショーを開演前に放映し、特別感を醸成しました。また、MCが準備中の会場からレポートし、ステージの様子や集まった参加者へのインタビューなど、現地の「今」の様子を中継してもらうといった、大会への期待感を高めるような工夫ができました。
鵜之沢氏
会場と、全国各地の店舗との双方向コミュニケーションもとてもよかったです。特に表彰1位の加盟店に対しては、店舗からサプライズで生中継を入れて、一緒に受賞を盛り上げました。オンラインでつなぐことで、従来会場にいなければ味わえなかった感動を加盟店の皆さんと共有し、ともに喜べる場がつくれたのは、ハイブリッドならではのライブ感でした。加盟店の皆さんは、受賞登壇者には内緒で、業務終了後やお休みの日に集まってサプライズの準備をされたそうです。オンラインだからこそ、普段なかなか見られない店舗や準備の舞台裏、チームの結束力など、加盟店の「個性」が見えました。他の加盟店のことをもっと知りたいと思わせ、加盟店同士をつなぐきっかけにもなりました。
受賞者が引き立つ演出やサプライズ中継で、スピーチがより感動的に
倉井氏
現場では、大スクリーンに映し出される映像が「カッコよかった!」と好評でした。MCによる受賞者の紹介、受賞者を引き立てる演出も素晴らしく、加盟店とのサプライズ中継なども影響したのか、受賞スピーチも感動的で重みのあるものになりました。JCDから提案された、受賞者によるLiveカメラ越しのサインも、新しい体験として喜ばれました。
鵜之沢氏
会場では、事前に受賞対象者から集めた写真を展示した「ポートレートギャラリー」も展開しました。こだわりが発揮された写真が多数送られてきて、積極的に取り組んでいただいたことを感じました。リアル参加者の中には、事前に撮った写真がどのように展示されるか楽しみに会場に来られた方もいたほどです。ハイブリッド開催により、加盟店が積極的にイベントにコミットし、主体性のある動きが見られたのも収穫です。
山本氏
映像のクオリティへの反響も大きく、特にエンディング映像を自社のプロモーションでも使いたいと、加盟店からリクエストが寄せられています。制作物が全国大会のみにとどまらず、その後も活用範囲があるという重要な気づきを得ました。
リアル・オンライン双方の満足度が高かったハイブリッド開催。その刺激がモチベーションに!
鵜之沢氏
今回のハイブリッド開催では、オンラインでリアルタイムに大会を共有し、リアルでは顔を合わせて交流する、双方のバランスがうまくとれました。開催後のアンケートを見るとどちらの参加者も満足度が高く、ハイブリッド開催の目的を達成できたと考えています。また、今後強化したい部分も見えてきました。加盟店同士の交流コンテンツの強化など、すでに次のアイデアが生まれています。
山本氏
リアル参加者は約170名、オンライン参加者は1,000名を超えました。従来なら会場にいなければ感じられなかった表彰式の雰囲気を、全加盟店がそれぞれ自分たちの場所で一緒に味わえたのは新鮮な体験だったと思います。運営側としても、1,000名を超える人にリアルタイムで大会を見てもらえたことがとてもよかったです。今までは会場に来られない方々には、後日配布する開催レポートを見ていただくのが精一杯の共有でしたので、臨場感を伝えるには限度がありました。多くの人が、優績店舗の雰囲気のよさを目の当たりにし刺激を受けたはずで、加盟店同士、お互いを高め合う空気感が生まれました。次回は、表彰者の個性をもっと引き立てられるような仕掛け、演出を考えたいですね。
倉井氏
今までは何らかの事情で会場まで足を運べなかった人にも、全国大会やアイフルホームの一体感を抱いてもらえた意義は大きいと思います。アンケートの反応もよく、ハイブリッド開催を喜んでくださる加盟店が圧倒的でした。特にオンラインで参加した人の「次は会場に行きたい!」という強いモチベーションにつながり、手応えを感じています。
知見が豊富なJCDとタッグを組み、視野も可能性も広がった
鵜之沢氏
JCDには過去に縛られない提案をいただき、知見豊富なチームのもとで新しい企画に挑戦できました。JCDの提案は、「モチベーションアップ」という観点から発想され、施策が必ずモチベーションに紐づいているところがよいと思います。表彰式も映像も、一貫して演出力が際立ち、そのクオリティは「次は自分もあの場に立ちたい」という加盟店のモチベーションにつながりました。
倉井氏
JCDのセンス、イベントプロデュース会社としての底力を感じました。アイフルホームの全国大会がワンランクUPしたと思います。ハイブリッド開催の事例が豊富なJCDの経験値は、初挑戦の私たちにはとても心強いものでした。なにより、担当者の反応の早さ、スピーディで確実な対応力には絶大な信頼がおけます。たとえばオンラインでつなぐ技術的な部分など、不備が絶対に許されない箇所の段取りが完璧で、安心して任せられました。おかげで私たち本部は、加盟店の皆さんに楽しんでいただくことに注力できました。
山本氏
JCDとは、初めて一緒に仕事をしました。よく「運営会社を変えると大変でしょう」と言われますがそんなことはまったくなく、経験豊富なJCDとのイベント制作は新鮮さと感動がありました。中継を通じて各店舗の様子も見られ、会場とインタラクティブにやり取りできるハイブリッド開催は、便利さとは別の次元でイベントの広がりを感じるものでした。懸念していたリアルとオンラインの温度差も、JCDのアドバイスを得て参加形式を問わず全員が楽しめるコンテンツを提供できました。今後もイベントを通じて楽しく、かつ業績につなげられるよう、加盟店の満足度の高い施策を一緒に進めていけるよう、期待しています。
波及効果が大きなハイブリッド開催、マンネリイベントを変えるチャンスを活かしたい
倉井氏
ハイブリッド開催は、伝えたいことがより伝えられる手法です。多くの気づきを得、新たな扉を開くきっかけになりました。弊社本部には、加盟店に足を運ぶ機会がない社員もいます。配信で大会を見て、自分の仕事が「やりがいのある仕事」「加盟店の喜びにつながる誇らしい仕事」という実感を得た本部社員もいると聞きました。ハイブリッド開催は、記録に残せることもポイントです。大会のアーカイブは新人教育の資料として使えますし、演出用の制作映像などもさまざまな施策に展開することが可能です。大会日の一瞬で終わるのではなく、その後の波及効果は大きいと思います。
山本氏
当社は30年間インセンティブイベントを継続的に開催してきましたが、手法が定着して内容を変えにくい状況がありました。今回コロナ禍でハイブリッド開催を決めたことで、変わるきっかけがつかめたのは事実です。ハイブリッド開催を前提に企画を考えると、発想そのものが変わります。従来は、大会来場者に向けてのおもてなしを重視して企画していましたが、オンライン参加の方、会場から離れている人たちも含めて喜んでいただく施策を考えることになり、世界が広がりました。コロナ禍の今は、変わるいいタイミングでもあります。ぜひハイブリッドイベントに挑戦することを、お勧めします。
「とにかく例年の大会から雰囲気をガラッと変えたい」というお客様の強いご意向があり、チャレンジングな造作プランも積極的に採用いただき、演出はもちろん、大会のロゴから映像制作までイベントに関わる全てのクリエイティブ部分をお任せいただきました。「もっと良くするには…」、「こんなことができたら素敵では…」という構想をお客様と共に練り、実現することができたと思っています。【リアル開催の良さ】と【オンライン開催の良さ】の相乗効果を発揮したイベントになったと振り返ります。
紺屋 可那子
2017年JCD入社。企業イベントのプロデュースを中心に、試薬メーカー、IT、保険、不動産など幅広いクライアントを担当。
会社創立からの節目の年を祝う周年イベントや、従業員に対するキックオフ、販売代理店に向けた表彰式など、インナーコミュニケーションに関わるイベントを基軸として、ブランディング映像のプロデュースやCIの開発など、クリエイティブ制作やコミュニケーションプランニングの領域も担当。
お客様の目的に合わせた最適なプランをご提供します。 ぜひお気軽にお問合せください。
お客様情報
株式会社LIXIL住宅研究所 様
- 所在地
- 東京都江東区大島2-1-1
- 設立
- 2002(平成14)年 3月 12日
- URL
- https://www.lixil-jk.co.jp/
- 資本金
- 1億円
- 従業員数
- 208名(2022年4月現在)