海外プロモーションの成功のカギを握る
効果的な海外でのイベント開催とは
エグゼクティブ層とのコミュニケーションを強化し 顧客ロイヤルティを高める施策とは
昨今、市場の飽和とともに商品・サービスの均質化が進み、他社との差別化が難しい時代になってきています。JTBコミュニケーションデザイン(以下、JCD)にも「既存顧客の売上拡大につながらない」「なかなかロイヤルカスタマーが育たない」などといったご相談が多く寄せられており、顧客と継続的に付き合っていくための施策に悩んでいる企業が増えています。今回は、企業の重点顧客、特にエグゼクティブ層の囲い込みを目的としたエグゼクティブラウンドテーブルを多数手がける榎本と、顧客ロイヤルティ分析や戦略立案を得意とし、コンサルティング業務に携わる窪内が、エグゼクティブ層とのエンゲージメント向上に効果的な施策とその重要性について語ります。
企業の経営者層との関係を深める
エグゼクティブラウンドテーブル
榎本
複雑な意思決定を要する規模の大きなビジネス案件では、特に企業トップの最終意思決定権を抑えるコミュニケーションがより重要視されます。そのための手法の一つが、経営者層を対象としたエグゼクティブラウンドテーブルです。ラウンドテーブルと言うと、一般的には役職関係なく、少人数であるテーマに対して参加者で意見交換することを指しますが、エグゼクティブラウンドテーブルでの参加者は社長や取締役などの経営者層になります。経営者同士で自社や業界の課題などについて話し合ってもらったり、意見交換をしたりするなど、双方向コミュニケーションを取りながら意思決定権者との関係を深めていくために行われています。
経営者層はセミナーのように一方的な説明より、ある程度自分たちの意見を発信して情報交換したいというニーズが高く、様々な形式で盛んに行われています。あるコンサルティング会社のエグゼクティブラウンドテーブルでは、企業のCEOだけを集めることもあれば、マーケティングのチーフだけを集める会など、テーマによってパターンは様々です。
どのパターンであっても大きな目的は、良質なコミュニケーションを取って、経営者層との関係を深めること。限られた人数の中、双方向コミュニケーションを取ることで、よりお客様について知ることができます。また、自社のことをよりお客様に知ってもらうことも目的の一つに。自社のポリシーや、商品・サービスの背景にある課題解決力を知ってもらい、継続的に利用してもらう施策としてとても有効です。
例えば、先日開催したエグゼクティブラウンドテーブルは二部構成にし、前半パートで事例紹介や意見交換会を行い、後半パートで懇親会を行いました。お酒を飲んだり、食事をしたりして、リラックスすることで会話も弾むので、そこでさらにお客様の課題を吸い上げたり、経営者同士情報交換したりする形で開催しました。 参加者からは、「他社や異業種の同じ役員層の話を聞くことができてよかった」「同じ課題をもっている会社がいて安心した」などという感想をよくいただきます。普段は同業種でライバル会社同士であっても、こうした場であると、同じ業種だからこそ腹を割って話せるということもあるようです。
エグゼクティブラウンドテーブルに招待する方々は、クライアントにとっての最重要顧客なので当然、失敗は許されません。当日の席次なども、企業名順で決定していくこともあれば、しっかりリサーチしてそれぞれの細かな関係性や業界について把握した上で調整していくこともあります。神経質にならなければならないシーンも多いからこそ、あらゆることに気を配り、私たちがいかに細やかなフォローができるかどうかが成功の鍵だと考えています。
ほか、エグゼクティブ層との関係性を強化する施策の一つに、ゴルフを取り入れたラウンドテーブルもあります。例えば軽井沢のホテルに宿泊し、宴会場で議題についてのディスカッションを行い、夕食や二次会でコミュニケーションを深めた上で、翌日にゴルフでさらにコミュニケーションを取ってもらいます。そうしたツアーや宿泊手配を組み込むことができるのも、JTBグループだからこその強みです。
また、エグゼクティブ向けのイベントは、コロナ禍でもオンラインで開催することはありました。しかし、最重要顧客、特にエグゼクティブ層との関係性を深めることを目的としているので、コロナ禍でもリアルで開催することが多かったですね。やはり、関係を深めていくためには、オンラインに変えられないリアルで開催することに価値があると感じましたし、ニーズもありました。
好感感情の積み重ねによって生まれる
顧客と企業との絆
窪内
私は大手都市銀行をはじめ、VIPをもてなす会員組織の運営に長く携わり、富裕層向けのイベント企画やサービス開発なども行ってきました。ですから、エグゼクティブ層のエンゲージメントを高めていくためには、関係を深めていくコミュニケーションが欠かせないことをよく実感しています。
その際に重要になるのが企業と顧客の絆、つまり顧客ロイヤルティです。私が所属する部署では、独自のメソッドを使ってロイヤルカスタマーが生まれる仕組みを可視化し、顧客ロイヤルティに強い影響を与える体験・感情を覚醒させるコミュニケーション手法や、商品・サービス開発のポイントをお伝えしています。さらに、ロイヤルティ向上戦略の立案から具体的な施策の開発・運営まで、一貫したコンサルティングサービスを行っています。
実際、ある大手銀行様には、富裕層顧客との長期的なお付き合いができる関係性構築を目的として、高付加価値イベントの実施と、それをきっかけとした顧客コミュニケーションの改善から成るプロジェクトを提案しました。このプロジェクトでは、ロイヤルティの醸成につながる好感体験と感情を、効率的かつ効果的に刺激するにはどのようなことを行えばよいのか、可視化できるJTB独自のロイヤルティ分析メソッドを活用しています。
この分析メソッドは、旅行という究極の好感体験を100年以上にわたり提供してきたJTBが、その経験と研究を積み重ねて生み出したオリジナルの実践的な理論です。企業と顧客との間のロイヤルティの強弱を明らかにすることはもちろんのこと、その構造までをも可視化することができることが特徴で、JTBならではの課題解決手法として、様々な業界のクライアント様から好評を得ています。
エグゼクティブラウンドテーブル×顧客ロイヤルティ分析で
的確に刺さるコミュニケーション手法を提案
窪内
企業の多くは顧客満足度調査などを行い、課題を把握して商品・サービス改善に役立てていると思います。そんなクライアントから「満足度調査を行っているが、これ以上何を改善していけばいいのかわからない」と、ご相談されることもあります。顧客満足度調査が適しているのは、マイナスの要因を発見しゼロに解消させるまでの取り組みであって、顧客との関係構築にはそれだけでは足りないんですね。
榎本
私たちの部署のクライアントも「どの層をターゲットにするのか、どんなコンテンツを企画すればいいのかわからない」といったお悩みをよく聞きますね。そういった企業に対しては、企業のトップであるエグゼクティブ層との関係構築と、彼らに対してのロイヤルティを高めていくことを提案しています。
窪内
私たちのロイヤルティ分析メソッドでは、単純にエグゼクティブ層のロイヤルティのスコアを計測するだけではなく、スコアを上げていくためにどうしていったらよいのかアイデア手法まで導き出せるので、エグゼクティブ層の刺激ポイントに沿った的確な施策に繋げることができるんですね。エグゼクティブラウンドテーブルでもロイヤルティをKPIとして採用すれば、毎年数値で効果検証ができますし、そこで得られたデータをもとに次回の打ち手を考えることもできます。
榎本
エグゼクティブ層の趣向も様々で、役職同士での有益な会話を求めている人もいれば、ゴルフなどでコミュニケーションを深めていきたいと思っている人もいらっしゃいます。私たちも参加者の趣向によって提案を出し分けていく必要があるので、エグゼクティブ層のロイヤルティの分析結果と掛け合わせることで、彼らの好みや特徴に合ったコミュニケーションの手法をもっと提案できればと感じています。
窪内
私はエグゼクティブ層と継続的に付き合っていくためのコミュニケーションには、顧客との絆を醸成するための仕掛けづくりといった企画部分だけでなく、高クオリティの運営力とホスピタリティが重要だと考えています。そのため、JCDがもつそのノウハウを積極的に活かしていきたいですね。
榎本
JCDは企業イベントに特化した部署があり、その中でもエグゼクティブ層向けのイベントに特化した専門チームに私は属しています。全体設計やイベント開催までの細やかなサポート、ストレスのない当日運営はもちろん、開催後のレポート分析まで、マーケティング活動と連動させた施策をトータルで対応することができます。さらに、JCD独自の顧客ロイヤルティメソッドを持つ窪内のようなコンサルティングのプロと連携することで、よりターゲットに刺さるソリューションを創りあげることができます。エグゼクティブ層のコミュニケーションに課題を抱えているご担当者様には、ぜひJCDへご相談いただきたいですね。
コーポレートソリューション部 ミーティング&イベント 第三事業局
2016年の入社以降、コンサルティング会社やIT会社、大手銀行などをクライアントに、企業イベントの企画から運営に携わる。小中学時代をアメリカで過ごした帰国子女で、英語でのコミュニケーションも得意とし、インバウンド関連の業務にもピンチヒッターとして活躍。最近は週に1回ヨガに通い、運動不足を解消。
コーポレートソリューション部 コンサルティング事業室
前職はホテルマンで、フロントからセールス、新規ホテルの立ち上げまで幅広く経験。2012年にJCDの前身であるJTBコーポレートソリューションズに中途入社し、多種多様なクライアントの経営課題やマーケティング課題に対するコンサルティングに携わる。趣味は釣りで、釣れる人・釣れない人の違いを突き詰めて考えるのが好き。的確なアドバイスで一緒に行くと釣果アップの期待大!?