海外プロモーションの成功のカギを握る
効果的な海外でのイベント開催とは
サステナブルとは?注目される背景や実現するために企業ができることを紹介

現在、世界中の人々や企業が共通の目標として取り組んでいることの一つにサステナブルな社会の実現が挙げられます。
サステナブルな社会の実現には、企業としても数多くの社会問題に取り組み、持続可能性の高い運営を行わなければなりません。
しかし、「サステナブルとは何?」「SDGsやESGとの違いがわからない」など、疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、サステナブルの意味や注目される背景、実現のためにできることを詳しく紹介します。
サステナブルとは?

サステナブルには、「持続可能な」「維持できる」などの意味があります。ここでは、サステナブルについて詳しく解説します。
サステナブルな社会とは
サステナブルな社会とは、地球環境を壊さず、資源を使いすぎず、未来の世代も平和で豊かな生活が持続できる社会のことです。
現代の地球が抱える問題として地球温暖化や資源の枯渇などがあり、このまま個人や企業が対策を行わないままだと人類が住み続けられなくなる可能性があります。
そのため、将来にわたって地球に住み続けられるように、社会や環境問題に取り組んでいくことが個人や企業に求められています。
サステナブルな経営とは
サステナブルな経営とは、環境・社会・経済の3つの観点から、自社と社会が手を取り合い、それぞれが持続可能な状態を保つ経営スタイルのことです。
現在の世代が求めるニーズを満たしつつ、将来の世代のニーズを損なわないように資源を活用しながら発展することが企業に求められます。
サスティナビリティとの違い
サステナブルとサスティナビリティは、意味に大きな違いはないものの、形容詞と名詞という違いがあり使用されるシーンが異なります。
サステナブルは「持続可能な」という意味がある形容詞で、サスティナビリティは「持続可能性」という名詞です。
そのため、企業がサステナブルを使用する際には、「サスティナビリティに取り組む」「サステナブルな取り組みを行う」などが正しい使い方となります。
ESGとの違い
ESGは、環境・社会・ガバナンスの3つの領域を指す言葉であり、企業が社会的責任を果たしサステナブルな発展を遂げるために重要な指標です。
サステナブルは持続可能な発展を目指す概念であるのに対し、ESGはサステナブルな取り組みのフレームワークとして機能する違いがあります。
企業の長期的な成長に欠かせない要素としてESGが注目されていることから、企業分析を行って投資をするESG投資も注目されています。
サステナブルが注目されている背景

サステナブルが注目されている理由として、地球や社会が抱える問題が挙げられます。ここでは、サステナブルが注目される背景を紹介します。
気候変動
サステナブルが注目されている背景として、気候変動による地球温暖化や極端な気象現象の増加が挙げられます。
地球の平均気温は年々上昇しており、それに伴って世界各地で集中豪雨や干ばつ、洪水などの被害が多発している現状があります。
企業の経済活動によって排出される二酸化炭素は気候変動をもたらす原因です。
サステナブルな社会を実現するためには、企業として温室効果ガスの削減やエネルギー効率の向上、再生可能エネルギーの導入などに取り組む必要があります。
また、消費者も環境負荷への関心が高まっていることから、企業として気候変動に対して積極的に取り組む姿勢は、企業のイメージ向上にもつながるでしょう。
汚染
サステナブルが注目されている背景として、大気汚染や海洋汚染、土壌汚染、水質汚染などの環境汚染が挙げられます。
環境汚染は、企業の経済活動に深く関連しており、人の健康や生態系に大きな影響をもたらす原因です。
例えば、工場の生産活動によって汚染物質が大気中に放出されると、酸性雨や光化学スモッグ、PM2.5などが発生します。
また、海にプラスチックやゴミが流れ込んで起こる海洋汚染では、漁業や観光業に大きな影響を与えるなど、経済活動にも悪影響を及ぼす要因です。
汚染に対する企業の取り組みとしては、大気汚染物質の排出抑制や水質汚濁防止、化学物質の管理などが挙げられます。
生物多様性
サステナブルは生物多様性でも注目されており、生物に与える負荷を減らし、人間と共存できる社会を作っていくことが重要です。
生物多様性とは多種多様な生物や遺伝子、生態系が存在することで、今は企業活動等によって脅かされている現状があります。
生物活動は木材や水産物など人間にとって重要な資源を提供し、植物であれば酸素を共有したり、気候を安定させるなど、その役割は重要です。
生物多様性を守るための企業の取り組みとしては、森林や河川の保全、植林などが挙げられます。
格差問題
世界や人口増加などで発生している格差問題も、サステナブルが注目されている背景の一つとして挙げられます。
国により格差社会が発生している原因は異なる部分もありますが、多くは所得格差や経済格差で資産や教育、医療などの格差が生まれています。
格差問題がサステナブルで取り上げられるのは、経済に及ぼす影響が大きいためです。
例えば、経済格差で低収入な非正規雇用者が増えると、その国や地域の消費が落ち込み、経済が冷え込むことになります。
経済活動が持続できなくなると、人々の生活の維持も困難になってしまいます。
企業の取り組みとしては正社員や非正規社員の均等待遇、グローバルな格差問題に対しては開発途上国への支援が挙げられます。
サステナブルを目指すために必要なSDGsとは
企業がサステナブルな社会や経営を実現するためには、SDGsの取り組みが重要になります。ここでは、SDGsの概要やターゲット、取り組みなどを紹介します。
SDGsとは

SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語にすると持続可能な開発目標という意味になります。
2015年9月に行われた国連サミットで採択され、2016年から2030年の15年間で達成するために掲げられた目標です。
サステナブルが概念をあらわす抽象的なものであるのに対し、SDGsはサステナブルを実現するためのターゲットや目標を明確化しています。
つまり、SDGsに取り組むことはサステナブルな社会や経営を実現することにもつながるというわけです。
企業がSDGsに取り組むことは社会環境の問題解決に貢献するだけでなく、以下のようなメリットがあります。
- 企業のブランドイメージの向上
- 新しいビジネスチャンスにつながる
- ESG投資の投資先になる
SDGsは世界のユニバーサルな取り組みであり、企業として積極的に取り組む必要があります。
SDGsの取り組みと目標
SDGsでは、以下の17の取り組みと目標が設定されています。
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤を作ろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任、つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を設定しよう
1から6は誰もが安心して暮らすための目標、7から12まではエネルギーや産業、まちづくりなど経済との関係が深い目標となっています。
13から17までは気候変動や自然の豊かさ、平和など環境に関する目標が中心です。
企業としてSDGsに取り組みサステナブルな社会や経営を行うためには、目標と事業を結びつけながら一つひとつできるところから取り組むことが大切です。
SDGsのターゲット
SDGsでは、17の取り組みや目標に対して169のターゲットが明確化されています。例えば、『働きがいも経済成長も』という目標に対して、以下のようなターゲットがあります。
- 2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一労働同一賃金を達成する
- 各国の状況に応じて、一人当たり経済成長率を持続させる。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の成長率を保つ
ターゲットで注意するべきポイントは、グローバルな視点で作られていることから、必ずしも日本の現状に合っているとは限らない点です。
そのため、SDGsに取り組む場合に国や地域、企業のレベルに置き換えながらターゲットを明確にする必要があります。
サステナブルな社会実現のためにできること

サステナブルな社会実現のためには、企業としてはもちろん、従業員一人ひとりが問題に取り組んでいく必要があります。
ここでは、サステナブルな社会実現のために個人・企業ができることを紹介します。
個人でできること
サステナブルな社会の実現に向けて個人ができることには、以下のようなものがあります。
- 節水や節電を心がける
- フードロスをしない
- 公共交通機関を利用する
- リサイクルを積極的に行う
- 環境に配慮した製品やサービスを利用する
また一例として、企業側から従業員に対しロゴ入りのマイバックを提供し、
日々の業務に従事する従業員のサスティナビリティ意識を高めることで、SDGsの取り組みも円滑に行えるようにした企業もあります。
企業でできること
サステナブルな社会の実現に向けて企業ができることには、以下のようなものがあります。
- 会社の備品には配慮したものを使用する
- 従業員の人事査定にSDGsやESGの要素を取り込む
- 社内の書類を電子化する
- テレワークを導入して働き方を見直す
- サステナブルなイベントを開催・参加する
企業がサステナブルな取り組みを行うためには、経営層の積極的なコミットや社内における情報発信が欠かせません。
また、サステナブルなイベントに開催・参加することも従業員の意識を高めることや、企業の実績としてアピールできます。
企業イベントをサステナブルなイベントに変えていくことがおすすめ
イベントには多くのステークホルダーが訪れるため、関係者に対して直接的・間接的に取り組みを伝えることができるでしょう。
一方、サステナブルがテーマになっているイベントを実施する際は、配布物の電子化やゴミ分別、廃材を出さないなどの対策が求められます。
また、屋内イベントであれば施設内の空調で適切な温度管理をすることや、音響や照明などの過剰使用に注意するなどの対策も必要です。
サステナブルなイベントを謳いながら、中身が地球環境に配慮していなければ、かえってネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。
JTBコミュニケーションデザインでは、サステナブルをテーマにしたイベントの企画立案やCO₂排出を減らしたイベント運営のサポートを行っています。
サステナブルイベントの事例
事例①サステナビリティイベント
サステナブルをテーマにしたイベントでは、リサイクル可能な装飾アイテムの導入や、省エネ設備の使用といった観点が一般的です。また、サステナブルな取り組みをしている企業の商品やサービスを取り入れることも効果的です。
JTBコミュニケーションデザインでは、都内会場にて「JTB Engagement Camp」を企画プロデュースしました。空間装飾をアウトドアギアを取り入れることで、サステナブルな体感を意識した会場を設計。サステナブルに関するコミュニケーションのきっかけづくりに貢献しました。
ケータリングにおいては、不揃いで廃棄されてしまう野菜を活用したメニュー構成や、知的障害のある方が作っているワインを提供し、サステナブルにこだわった内容としました。
さらに、サステナブルボードを設置して取組みを紹介したり、飲食の提供時においても「どこがサステナブルな取り組みなのか」ということを説明することで、イベント開催時の取り組みを参加者に認知・理解させることが出来ました。
事例②展示会・展覧会
展示会では、ブース装飾やステージの部材、パンフレットや紙袋など多くの資源が消費されます。さらに、出展する商品やサービスによっては、多くの電力を必要とするケースもあります。その中で、廃材のリユースやリサイクルの検討、ペーパーレス化やデジタル配信など、サステナブルを意識したイベント開催は解決すべき課題が多く存在します。
JTBコミュニケーションデザインでは、「国際物流総合展」において、会場内で使用される電気を再生可能エネルギーに置き換えることで、排出されるCO2を実質ゼロにできるサービス「CO₂ゼロMICE®」を導入し、会場内でのCO₂排出の低減に取り組みました。
まとめ
この記事では、サステナブルの概要や注目される背景、実現のためにできることを紹介しました。
サステナブルは「持続可能な」という意味があり、地球環境を守り、未来の世代も平和で豊かな生活が持続できる社会の実現がすべての人に求められています。
企業においても利益追求のための経済活動だけでなく、世界規模での環境破壊や格差問題などに対して責任を果たさなければなりません。
そのためにも、サステナブルな社会や経営の指針であるSDGsに取り組み、一つひとつ課題をクリアしていく必要があります。
JTBコミュニケーションデザインでは、会議やイベントの企画、運営を通して資源循環や開催地の活性化に貢献します。
サステナブルなイベントの企画や運営、プロモーションなど、さまざまなご提案をいたしますのでまずはお気軽にお問い合わせください。