社内外のコミュニケーションを活性化させ
「人の心を動かす」周年事業とは

企業の周年期は、未来に向けて発展し続けるための重要な節目です。コロナ禍が明けた今、節目となる周年イヤーにリアルイベント開催を検討する企業がこれまで以上に増えてきています。今回は、2023年に開催された菅公学生服株式会社様の創業170周年事業を例に、JTBコミュニケーションデザイン(以下JCD)モチベーションイベント局の橋本・紺屋・栗原が、最近の周年事業のトレンドや周年事業への取り組み方などについてプロデューサーとしての視点から語ります。

官公学生服 社内外コミュニケーション 活性化 周年事業 周年イベント

周年事業は企業の未来に向けて
成長を加速させる絶好の機会

橋本
私たちの所属するモチベーションイベント局は、「JTBモチベーションズ」という働く人々のモチベーションを専門に取り扱う会社が前身となっています。当時は社内運動会など、社員同士のコミュニケーションを中心としたイベントを手掛けていましたが、その頃からアワードや周年事業に関するお問い合わせも多くいただいていました。JCDとなってからは、多様なプランニングやPR展開などが強化され、周年事業のトータルプロデュースが可能となったことで、企業ブランディングや従業員・顧客との絆を深める総合的な周年事業も行うようになっていきました。

企業の節目となる周年は、企業がその先の「ありたい姿(ビジョン・未来像)」を設計するターニングポイントです。企業のこれからを考え、さらなる成長を加速させる絶好のチャンスでもあります。周年事業をただの記念イベントで終わらせないためには、「なぜ周年事業を実施するのか」「誰に対して実施するのか」、そして「何を表現するのか」などをあらかじめ明確にすることが成功の鍵となります。JCDではそれらを設計する段階からクライアントに伴走し、周年事業をプランニングしていきます。

官公学生服 社内外コミュニケーション 活性化 周年事業 周年イベント

紺屋
一連の周年事業の中では、従業員などのインナー向け、顧客や取引先・地域住民などのアウター向けの施策をそれぞれ作成してアプローチを行います。多くの人々を巻き込むことで社内・社外のコミュニケーションが活性化されますし、エンゲージメントを構築でき、永続的に企業ブランド力を高めていく効果も期待できるんです。企業の課題やテーマを踏まえた提案はもちろんのこと、戦略的な取り組みとしてインナー・アウターどちらに対しても効果を高めていくことが大切だと考えています。

社内外コミュニケーション 活性化 周年事業

周年事業のトレンドは
サステナビリティ・従業員主体・双方向コミュニケーション

紺屋
たくさんの周年事業に携わっていますが、サステナビリティを意識したイベントづくりがトレンドになっていると感じています。最近手掛けた案件では、参加者の名刺や席札をエコな紙材で作成しています。また、企業のカラーにもよるとは思いますが、経営層がトップダウンでやりたいことを式典に盛り込むのではなく、実行委員会を立ち上げて社員がコンテンツを決めるなど、従業員が主体となって取り組む企業が多くなってきていますね。

以前の周年事業の式典などは、顧客が前方に、社員は後方に座るなどその企業の顧客を主体として開催することが多かったのですが、コロナ禍を機に、従業員を何よりもまず大切にするという風潮に変わったような気がしています。“周年”は、働いている社員全員にとっての節目です。何よりもまず周年事業について社員の皆さんに自分ごと化してもらうようにお伝えしています。

官公学生服 社内外コミュニケーション 活性化 周年事業 周年イベント

栗原
また、社長など企業のトップが一方的に決めるのではなく、従業員とコミュニケーションを取りながら進めていくことも最近では多いですね。司会者もプロに依頼するのではなく従業員が担当したり、従業員からの質問を社長にぶつけて本音を聞いてみたり、双方向コミュニケーションを重要視している企業が増えてきていると感じています。

「自分ごと」と捉えてもらえるように
伴走しながらモチベーション向上を

橋本
2023年に創業170周年を迎えた菅公学生服株式会社様の周年事業を、当社で担当させていただきました。菅公学生服株式会社様は制服の製造販売を主な事業にされていて、岡山県を本社とし、全国58ヵ所に営業拠点がある企業です。10年ごとに全従業員を対象にした周年行事を開催されており、今回は「ヒルトン福岡シーホーク」というホテルを開催場所として、会場・オンラインそれぞれ約1,000名が参加。オンラインはYouTubeのライブ機能を使用して、リアルタイム配信を行いました。

お客様からは、創業200年に向けて事業を繋いでいく意義や、従業員同士のコミュニケーションを大切にしようという想いを伝えたいというご要望があり、「ツナグ」をテーマに進めることになりました。このテーマに沿って、実行委員会の皆さんと私たちとで話し合いながら、どんなイベントにしたいか・どんなコンテンツを盛り込むかなどを考えていきました。

官公学生服 社内外コミュニケーション 活性化 周年事業 周年イベント

紺屋
様々なご提案をする中で、先ほど申し上げたサステナビリティを意識したコンテンツとして、菅公学生服株式会社様が行っているSDGsの取り組みを紹介。加えて、工場で制服を作る際に出る生地の切れ端を集め、福岡のアーティストの方にモニュメントを作っていただいたんです。当日は現地でその作品を完成させて初お披露目し、SDGsの取り組みをリアルに感じられる演出としました。

また、コンテンツの一つとしてギネス世界記録™ への挑戦を取り入れることになりました。イベント中の実施では時間がかかり過ぎてしまうため、前もって準備できるオンラインビデオチェーン※の記録に挑戦。撮影した動画を繋げてひとつの映像にするで、「ツナグ」というコンセプトをわかりやすく表現することができました。
※ペンを使ってメッセージを書き、そのペンを受け渡していく様子をひとりずつ撮影した動画を繋げて、その参加人数を競うという内容で実施。

さらに、社長からのご挨拶は、ステージを歩き回りながら熱意の込もったアクションも取り入れてプレゼンテーションを行う「ウォークアラウンドスタイル」で行いました。創業200年に向けてのビジョン共有と感謝の気持ち、会社に対する想いを語っていただいた後に、社員の方がステージに上がり、従業員から集めた質問を社長にぶつけていくという演出も取り入れ、双方向のコミュニケーションが取れるような企画にしました。

栗原
このほか、自社の工場や事業所で着る新ユニフォームをお披露目するファッションショーや、オンラインクイズアプリを使った早押しクイズ大会など、様々なコンテンツを盛り込みました。これらの企画アイデアは、実行委員会の方々の中で話し合って出していただいたものです。こういったアイデア出しの際によくお聞きするのが、「アイデアはたくさん出てくるけど実際にできるのか」「面白いアイデアだと思っているが、イベントに適しているのかわからない」などの声です。本当に実現可能なのか判断することはプロでなければ難しいケースもありますが、小さなことでもまずは私たちにご相談いただければ、そのアイデアを実現に向けて膨らませることができますし、代替案も含め演出の仕方でもっと面白くすることもできます。それが当社のような周年事業のプロにお任せいただく付加価値になると感じています 。

官公学生服 社内外コミュニケーション 活性化 周年事業 周年イベント

橋本
企画から運営まで周年事業をトータルで手掛けることは可能ですが、私たちが提案したものをそのまま形にしてしまうと、なかなか自分ごととして捉えてもらえないこともあるんですね。今回は特に実行委員会の方々がとても前向きに取り組んでくださいましたし、従業員の皆様のための式典ですので、全員が参加していただけるような企画を実行委員会の方々にお渡しして検討していただきました。そして、打ち合わせを何度も重ねて、どうしたら実現できるのか・どう演出したらもっと面白くなるのかをご提案させていただきました。私たちの役割は、周年事業を成功させるために伴走し、従業員の皆さんの会社へのエンゲージメントや業務へのモチベーションを上げていくことなのだと思っています。

官公学生服 社内外コミュニケーション 活性化 周年事業 周年イベント

人の気持ちを動かす周年事業を
確実に実現できることを強みに

栗原
私は、周年事業というものを参加者全員が主人公になるイベントだと思っています。今は個の時代とも言われていますが、組織の中にいると「自分は何のために働いているのか」などということを漠然と考えてしまうことがあるかもしれません。周年事業に参加することで、自分が働いている会社や自分自身が働く意義を改めて認識し、楽しんでいただける機会になれば、何より嬉しいですね。

橋本
周年事業は、その年だけではなく2~3年前から準備を始めていきます。長期間に渡って一緒に周年事業を創り上げていくので、まずは私たちのことを信用していただけるように関係性を構築していくことがとても重要だと考えています。

JCDが提案する周年事業は、企業が目指す未来の実現に向けて人・組織の「心が動く仕掛け」を創り上げ、それを確実に実現していけるようなプロセスを大切にしています。「いかにして人の心を動かすか」という根幹の部分から一緒に設計し、皆さんにとってのモチベーションとなるような周年事業を目指し、これからも取り組んでまいります。
コーポレートソリューション部
モチベーションイベント局 
ゼネラルプロデューサー 
橋本 剛一

音楽業界での勤務を経て、JCDの前身であるJTBモチベーションズに入社。企業イベントのプロデュースだけではなく、ワークモチベーションの向上施策などに広く携わる。学生時代から長く演劇をやっていたこともあり、人が楽しむ場所にいるのが好き。休日は映画を観たりライブハウスに足を運んだりしている。
コーポレートソリューション部 モチベーションイベント局 ゼネラルプロデューサー 橋本 剛一

コーポレートソリューション部
モチベーションイベント局
紺屋 可那子

2017年入社。周年イベントや表彰式など、インナー向け企業イベントのプロデュースを中心に、 ブランディング映像の制作やCIの開発なども担当。幼い頃から習っているバレエが趣味。休日は展示や映画を観に行く。
コーポレートソリューション部 モチベーションイベント局 紺屋 可那子

コーポレートソリューション部
モチベーションイベント局 
栗原 隼人

2021年入社。製薬会社を主なクライアントとする医薬講演会や研究会などに2年携わった後、社内公募制度を利用してモチベーションイベント局へ異動。趣味は旅行やキャンプ。スーパー銭湯に週2回通い、岩盤浴でリフレッシュするのが最近のマイブーム。
コーポレートソリューション部 モチベーションイベント局 栗原 隼人

資料ダウンロード

関連事例