株式会社タニタ様 75周年イベント TANITAコミュニケーション2019 IN 秋田

株式会社タニタの担当者が語る
インターナルコミュニケーション成功事例

設立75周年を迎えた株式会社タニタ様。周年事業の一つとして、2019年4月19日~20日に生産拠点のある秋田県大仙市にて社員が参加するイベントを開催。2日間でフォトロゲイニング※、パーティ、工場見学、きりたんぽワークショップ、植樹といった盛りだくさんの企画を実行。事後アンケートでは、参加した社員約450名のほとんどが社員同士のコミュニケーションがとれたと回答。周年を機に、どのように社員の一体感を醸成していったのか、今回はイベントを担当した大竹達也氏からお話を伺った。

フォトロゲイニングとは・・・・
地図上に複数設定されたチェックポイントを制限時間内でより多く巡り、獲得した点数を競う。チェックポイントに到達した記録として、見本と同じ写真を撮影する。

社員同士のコミュニケーションを活性化したい!1泊2日のイベントを開催

周年イベント開催の経緯を教えてください

イベントを行った目的は、グループ全体のコミュニケーションをもっと高めたかったからです。タニタは年々事業を拡大しており、規模が大きくなった分グループ会社間の交流が取りづらくなっていました。サービス業や飲食業など違うジャンルのグループ会社も増え、タニタという会社をきちんと見直す機会も必要でした。また、ちょうどヘルスメーターの発売から60周年、現社長の谷田千里が社長に就任して10周年というタイミングだったこともイベントを開催した理由です。1年以上前から私たちブランディング推進部で準備を始めていたんですよ。

ブランディング推進部 販売促進課 大竹達也氏

ブランディング推進部 販売促進課 大竹達也氏

 

今回、2日間でたくさんの企画を盛り込みましたね。
イベントで何を行うかというアイデアは、社員の皆さんから次々と出てくるのですか?

次々とは出てこないです(笑)。私たち社内のメンバーはわずか数名なので、自分たちだけで何とかしようとは思わなかったですね。私はどちらかというと、自社でアイデアを出し合うより「何がしたいか」、「何が目的か」ということをきちんとパートナー企業の方にオリエンで伝えて、彼らからの提案を信じてお願いしたいと考えています。私たちは社員からの要望に対するフォローに集中したいですしね。  

<今回のイベントの目的は社員同士のコミュニケーション。キーワードを、工場のある秋田県で開催、タニタらしさである健康、などいくつか決めました。JCDさんからはいろいろご提案を頂き、特にフォトロゲイニングは「ずばりコレだ!」と直感的に思いました。

ワクワクするような期待感を!
イベント前の告知のポイント

社内での告知のポイントは?

やはりイベントなのだから参加者には期待感を持ってほしいですよね。実は、1か月前になってようやく旅のしおりを社員全員に配布して概要を公開したんです。それまでは4月19日、20日に秋田でイベントをしますとしか伝えていませんでした。しおりづくりもこだわっていて、詳細は書かなかったんです。後日私たちが伝えることを参加者自身で書いてもらう形にしました。手作り感を大事にしたかったので、社員が描いたイラストを表紙に採用したんですよ。  

社内告知は苦労しました。参加予定の約450人中、約200人は秋田工場で現場作業をしていますし、グループ会社の中には店舗勤務でメールアドレスを持っていない人もいる。メールでの一斉告知ができないんです。みんなで集まるイベントですから、情報が公平に伝わるということがすごく重要だと思っていたので、工場の総務や各現場の上位者にイベント告知のフォローを丁寧に行ってもらうようお願いしました。

こだわったのは公平さ
全社朝礼でくじ引きを行う

宿泊時の部屋割りなどくじ引きで決めましたね。それはなぜですか?

事前告知についてもそうですが、宿泊の部屋割りやフォトロゲイニングのチーム編成は私自身がこだわったポイントです。イベントは社員全員のものなのに、そこに誰か偉い人の意思があったり、特定の人の考えが反映されているような決め方はイヤですよね。不満が出るような決め方は絶対にしたくなかったんです。これは抽選でやらせてほしい!と、私から社長を含め周りを説得して回りました。このための抽選ソフトまで社内でつくってもらいました。

抽選はみんなの前で行いたかったので、4月1日の全社朝礼のときに実施しました。パソコンの画面をクリックすると参加者名がランダムで組み合わさるのです。そのクリックをする人も抽選で決めたんですよ。

一応、宿泊のペアは同世代が一緒になるようにプログラムを組んでもらい、それは皆さんに伝えました。だから40代の誰かは社長と同じ部屋になりましたね(笑)。

準備段階で最も大変だったことは?

今思い返して苦い思い出などはありましたか?

こういうイベントの労力は準備9割、当日1割だと思っています。2日間のイベントの中にたくさんの要素を盛り込んだので準備が大変でした。そんな中、特に大変だったのが各関係者からの問い合わせ対応です。イベントの日が近づくと私宛てにメールが1日50件以上も届くのです!その日のうちに全部返信しようと決めていたので、しんどかったですね。

私たちも細かく詰めているつもりでしたが、さらに細かい質問が出てくるものです。私は部下にも言っていましたけれど、1個1個の質問に対してちゃんと丁寧に答えていこうとやっていました。

 

社長とのコミュニケーションはどうとっていましたか?

準備段階から社長とのコミュニケーションは密にとっていました。私が困っていたことが社長の一言で解決したケースもありました。社長は社員たちがどうしたら喜ぶかをとても考えていて、私たちがここまででいいかなという点に対しても「もっとこんな事ができるだろう」と意見を出してくれ、イベントはプラスアルファで盛り上がりました。パーティの中のゲームやクイズ、きりたんぽワークショップなどの発案は、実は社長なんですよ。社長のこだわりでもある「楽しく盛り上がってコミュニケーションをとる!」が実現できました。

工場見学では商品の箱詰めやはんだ付けを体験できるようにしました。ただ見学するだけなら1時間程度で済んでしまうのですが、やはりそれではイベントの趣旨と違ってしまいます。実際体験してみると、皆素人だから上手くできない。そんな苦戦する姿を見て盛り上がりながら、参加者は工場の人たちの技術や大変さがわかる。現場を少しでも知ることができる場となりました。

 

大仙市の協力も得たフォトロゲイニング

フォトロゲイニングでは大仙市の協力も得られました

フォトロゲイニングも良かったですね。大仙市様が全面的に協力してくれたおかげで体育館を借りることができて、スタート、ゴール地点に設定できました。これはありがたかったですね。

イベントの細かいところをJCDさんにお任せできたところも助かりました。施設を借りるのにどういう条件が必要かを確認していただいたり、駅前の施設をエイドステーションにしたり、地元のお茶や食べ物を用意していただいたり。これは私たちだけではできません。  

 


当日、印象的だったのが新聞社の方も参加していたことです。これはどういった経緯だったのですか?

こうしたイベントは地元メディアの方にお声がけするのが基本なのですが、今回は大きなイベントだったので東京のメディアにもお声がけしました。広報担当のいるチームに入ってもらい、4~5社の方に体験していただきました。せっかくこれだけ大掛かりのことをするのだから、イベント自体も取材していただき、弊社の理解を深めていただくきっかけにしたかったです。

後日アンケートが語った
イベントは成功へ!

イベント終了後に社内アンケートを実施したと伺いました。参加者の声を教えてください

満足度がすごく高くて驚きました!実施前からモチベーションが高かった人は半数程度、イベント終了後は85%が満足したという結果だったんです。行事としては成功したと思ってほっとしています。 特に、「普段接することのない社員とコミュニケーションが取れたか」という質問では、93%が「はい」と回答しています。やはりフォトロゲイニングは知らない社員同士をマッチングし、チーム戦にしたことが良かったですね。皆イベント後もその時の写真を共有するために連絡を取り合っているようです。 正直なところアンケート結果を見るのは怖かったです。でも、満足度が高くてほっとしました。  

 


JCDを選んでよかったと思う点を教えてください

今回のイベントについて、JCDさんから様々なノウハウや知見をお借りできました。私たち社員大勢が一斉に動いていろいろなことをやる中で、それをある程度理解して動いてくれていると感じたので、安心できましたね。やはり総合力があって、最初からこういうお任せの仕方をすればいいだろうな、と思った通りにできました。

周年事業を検討している企業の担当者へメッセージ

リアルイベントの力は実感されましたか?

イベントの担当者になってしまったら、誰だって「不安」、「面倒だ」と思いますよね。だからリアルイベントじゃない方法はないかと模索したりするものです。でも、アンケートを読んでみて、こういう一体感はリアルイベントじゃないとつくれないと実感しました。満足感や深い絆は、リアルに顔を合わせて体験するからこそ生まれるものなんですね。  


最後に、今後、周年事業を検討している企業の担当者へメッセージをお願いします

 

イベントをするなら年齢や立場に関係なく「参加者全員が平等に体験できて楽しめるかどうか」にこだわった方がいいと思います。不平等が起きないようにすることが大事ですね。

また、自分事の企画にすることが肝だったと思います。チーム編成とかも普段接点のない人同士を組み合わせたので、そういった点に留意するといいなと思いました。

イベントの担当になると、準備期間はずっと頭からそのことが離れないので大変ですよね。私も無事にイベントが終了して久しぶりに安心して熟睡できました(笑)。実施にあたってはとにかく、参加者の満足度をひたすら高めたいという思いでやるべきで、そういう意味で参加者は「お客様と同じ」だという意識で進めるのがいいと思いました。短期間で簡単に決めてしまうより、じっくり時間をかけてつくっていく方がいいと思います。これだけみんなの満足度が高かったのも、ある程度時間をかけてタニタらしさにこだわって中身をつくっていけたからだと思います。イベントの開催当日まではとても大変ですけど、後で参加者が満足してくれたのが分かれば、報われるし開催してよかったと思うはずです!

お客様情報

株式会社タニタ様

所在地
東京都板橋区前野町1-14-2
設立
1944年1月
URL
https://www.tanita.co.jp/
資本金
5,100万円(2020年2月末時点)
従業員数
1,200人(グループ)

資料ダウンロード

関連事例