マンガでたどる周年事業担当者ものがたり 第1話 ~後編~

マンガでたどる周年事業担当者ものがたり
第1話~後編~

100周年記念式典の直前に、超絶想定外勃発!
松田はこれを乗り切れるのか?!

「え!?うそだろ?」「どうしたんすか?なんか嫌な予感…」

前編では、松田俊介さんが突然の辞令を受けて、100周年事業を担当することになり、頭まっしろになりながらも奮闘する様子をマンガで紹介しました。


後編は、本番を控えて、忙しさも頂点に達している松田さんの話です。

※この物語は、実際に周年担当を経験された方へのインタビュー内容に基づいて、編集したものです。
 個人名や業界、場所などの設定は、実際とは異なる名称としています。

研究ちゃん さて、後編では、本番直前の超多忙なところから聞いていきたいと思います。
松田 はい、当社の100周年記念式典は、結局1,000人の社員全員を集めて開催することになりました。
研究ちゃん それは一大イベントですね。準備は相当大変だったのではないですか?
松田 全国から大阪の会場に来てもらうわけですが、交通手段など地域によって違うので間違えないように気を使いました。直前になって、「大阪出張が入ったから、出張先からそのまま行くことにします」なんていう変更が入ったりもしました。
研究ちゃん それは・・・、細かい対応が必要ですねぇ。
松田 周年事業チームとして、方針を決めたんです。「社員全員を安全に、開催日時までに会場に集める」という方針です。それが守れれば、あとは大筋OKということです。
研究ちゃん 方針が明確なのは大切ですね。
明確な方針は、自主性を高め、モチベーション(やる気)を向上させるのです。方針という大きなルールがあると、逆に、やるべきことがはっきりし、自分で判断できることが増えるからです。
松田 そういわれれば、確かに仕事はしやすかったなぁ。
方針があるから、その他はいちいち上司の承諾を取ることなく、自分たちの判断で決めることができましたからね。社員一人一人の要望に、スピーディに応えられましたね。
周年ご担当者のモチベーション曲線グラフ「頭まっしろ(周年事業担当者への任命)」「最初の山越え(運営を任せる会社の決定)」「心の壁破り(苦手な人や仕事へのチャレンジ)」「本番直前の嵐(超多忙の中想定外が発生)」「怒涛の本番(達成感と感動)」「周年ロス(心と体が変化に慣れるまで)」「周年振り返り(学びを深める)」

1.「本番直前の嵐」期 ~超多忙の中、想定外が発生~


「いろいろ調べてみるとうちの会社ってすごい歴史を持ってるし、可能性めちゃくちゃあるよな」「いい会社だよな。このことをみんなと共有したいよなあ」「10年に一度、1000人が1箇所に集まるんだ。ものすごく大切な日になる。みんなに会社のいいところとかそこで働く意味とかを感じてほしい」

本番直前で、モチベーションが高まっている松田さん。しかし、このあと思いがけないことが発生します。

「え!うそだろ」「どうしたんすか?またチケットの変更依頼かなんかですか?」「松田くん。これみてくれ」パソコンに映る社長交代の連絡「え!ヤバ。これって社長交代ってことですよね」「そうだよな」慌てふためきながらブレーンに連絡する松田。「すみません。ちょっと大きな変更が必要になりそうです」
研究ちゃん すごい想定外でしたね。
どのような気持ちで対処したのですか?
松田 不思議に、ネガティブな気持ちではなく、とにかくやる、やる以外の選択肢はない、という感じでした。
研究ちゃん 何が支えになったのでしょうか?
松田 式典の運営をお願いしていた会社が、「大丈夫ですよ。そういうことも時々あります」と言ってくれて、他社ではどう対処したかを教えてくれました。変更する項目をリストにして、1つずつつぶしていきました。
研究ちゃん 松田さんが、想定外を乗り越えられたのは、自己効力感という、「じぶんはやれるぞ」という気持ちがあったからだと思います。これまで周年の準備を積み重ねてきた自信があったため、「とにかくやる」という気持ちを持てたのではないでしょうか。
松田 ああ、そうですね。
準備を始めたばかりのときだったら、パニックになっていたのかも。
研究ちゃん 「頼りになる運営会社がある」「リストを1つずつつぶせばいいんだ」ということも、自己効力感のもとになりましたね。
松田 はい、頼れる存在は本当に大事です。

2.「怒涛の本番」期 ~達成感と感動~

式典本番の日、会場に一堂に会し、挨拶を交わす従業員たち。式典が始まり、歴史の紹介やアワード、入賞者のコメントなどスムーズに進む式典。会場の様子をみて満足する松田
研究ちゃん 本番中はどんな気持ちでしたか。
松田 2年近くかけて計画してきましたが、事前にはやはりモヤモヤーッと思い描いていたという感じです。それが本番では、目の前で現実になっている。「やった! みんなに伝わった!」という気持ちでした。
研究ちゃん それは大きな達成感ですね。
松田 はい、そうですね。忙しい社員1,000人に来てもらっているので、絶対に満足してもらいたいという強い責任感もありました。
無事に終了した式典。同期の岸本と再開する松田。「あのさ。俺こうやって全員集まるのって意味あんのかなって。だけどさ。今回はこういうのもいいなって思ったぜ」岸本の言葉に感動する松田

3.周年ロスがやってきた

式典本番が無事に終了、松田さんに平穏な日常が戻ってきました。

「はい。来ました周年ロス~」周年式典が終わり気が抜けている松田「こら。そんなことじゃあいかんぞ」注意するも資料が逆さまの課長。「今日は式典の運営してくれたJCDさんと報告会議ですよ。」会議室へ向かう二人
会議室にて。式典のアンケート結果を確認する課長と松田。回答率が9割のうえ、式典のコンセプト『この会社で働く意義』については、約88%が強く感じた。と回答。感激する松田
松田 いやあ、周年ロス、来ましたよ。びっくりしました。
研究ちゃん 周年ロスには、緊張がゆるむという精神面と、日常の業務が変化するという身体面の2つが影響しているのでしょう。大きなイベントのさなかにいる状態から、終わって静かになった状態への変化に、心も体もまだ順応していないのです。
松田 そういうことか。。。
研究ちゃん だから、周年ロスは、ある意味自然なことだと考えられます。ロスからの回復には、体を休めることと同時に、周年事業を、心理的にきちんと終わらせることが大事です。
松田 きちんと終わらせる?どうすればいいですか?
研究ちゃん 参加者のアンケート結果などのフィードバックを受けることは効果的です。周年事業を、「素晴らしいものだった」とか、「担当してよかった」等、自分の中で意味づけすることになるからです。いわば、心の中のファイルにしまう、というイメージですね。

4.周年を担当した意味 ~学びを深める~

振り返ってみると周年準備中は充実していて楽しかったな。思い切って人に頼んでいいんだ。ということも学んだよな。軸をしっかり持てば人の心を動かすことができるってことも学べた。と、式典を振り返る松田。と、そこへ課長の松田に対する慰労と賛辞の言葉。素直に喜ぶ松田。「じゃぁ、10年後の110周年事業も担当するか」と言われ、返事をごまかし遠慮する松田。
研究ちゃん 周年事業という大きな仕事を担当し、やり遂げたのは、組織で働く上で大きなキャリアの実績となりますね。同時に、1人の人の人生においても価値あるできごとです。
松田 はい、周年担当としてのこの3年間は、あとで振り返っても充実した経験になったとおもいます。
研究ちゃん あらためて、何を学んだのかを振り返っておくことをおすすめします。今後の仕事にも、そして、人生を充実したものにするためにも、役立つはずですよ。
松田さん、お疲れさまでした!




松田
松田 俊介
食品メーカー勤務・27歳。
入社5年目のタイ赴任中に突然、「周年事業担当」に任命された。帰国後、100周年事業担当として3年間を過ごす。



研究ちゃん
研究ちゃん
日々、企業の中で起こる様々な人間ドラマに興味を持ち、研究を続けている。
ある日出会った会社員が「周年事業担当」として経験した内容に、自分が求めていた「ドラマ」を感じ、周年の世界での研究を始める。
もともと専門とするテーマは、「モチベーション」「組織心理学」。


「マンガでたどる周年事業担当者ものがたり 第1話」 完

~編集後記~
周年事業を担当するのは、大変なことですが、成長や学び、感動や達成感のある価値ある仕事ですね。

企画・編集:ワーク・モチベーション研究所