オンライン・ハイブリッドだからこそ、グローバルに ~VIP登壇が重要な国際フォーラムを可能にするグローバル・リエゾンサービスとは~

会議やイベントの企画・運営を手がけるJTBコミュニケーションデザイン(JCD)は、海外のVIPが登壇するような国際会議/フォーラム開催運営においても豊富な実績があります。
今回は、コロナ禍にてJCDが担当した、非営利の独立系シンクタンクが主催する、大型なハイブリッド型国際フォーラムにおいて採用いただいた、「グローバル・リエゾンサービス」について、担当者による対談形式にて紹介します。

 

グローバルリエゾン

グローバル・リエゾンサービスとは。
グループネットワークによる専門家チーム設置のメリット

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【担当者】
コーポレートソリューション部 ミーティング&イベント第一事業局  森 美由紀


コーポレートソリューション部 ミーティング&イベント第三事業局  米山 隆広

総合企画部 DX推進プロジェクト  吉井 和人
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司会/MICEにおけるリエゾンサービスは、特定のゲストや、いわゆるVIP専属エスコートとして、高度な言語能力だけではなく、接遇マナーやホスピタリティ能力、日程・工程管理能力などが求められています。
今回、JCDがJTBの在外支店と連携して開発した「グローバル・リエゾンサービス」とはどのようなものですか。

森/MICE開催地である日本ではなく、VIPの拠点となる海外において優秀なリエゾンスタッフを手配し、準備段階から当日のオンラインライブ登壇まで、ワンストップで完璧な手配を提供するサービスです。
今回受注した大型ハイブリッド型国際フォーラムでは、海外VIP登壇者は国賓級で、海外3ヶ国にわたり、それぞれが現地からバーチャル登壇となるため、通常求められるリエゾンサービスに、オンライン型MICE運営支援が必要となります。そこで私たちはJTBの在外支店と連携し、オンラインイベントの配信実績があり、日本と同レベルの知見や技術を保有する現地企業や、海外各地のリエゾンスペシャリストを集め、ワンチームで対応をしました。

このスペシャルチームの設置においては、JTB在外支店勤務経験がある米山社員の海外MICE実績とネットワーク、また、シンガポール・香港・台湾の各都市のハブ機能を担ってくれた、JTBアジアパシフィックの貢献が欠かせません。
特に、海外VIP登壇者の多くは通常業務が多忙のため、リハーサルに多くの時間を割くことが難しいこともあり、例えば「自分の執務室で行いたい」、「会議と会議の間のこの時間帯で行いたい」などの要望があります。スケジュール調整だけでなく、その拠点におけるネット環境など、海外リエゾンや現地MICEディレクターを通じてフレキシブルな対応しなければなりませんでしたが、日本からの遠隔指示に対して、現地チームのきめ細かな対応により、リハーサルから当日まで、スムースに進行・運営することができました。

吉井/また、日本と海外拠点のMICEディレクター同士が、いかに密にコミュニケーションが取れていたか、という点が重要ですね。映像担当者同士だけでは抜けてしまいがちな情報、例えば「スピーカーはあとどれくらいでスタジオに到着するのか」、「到着したらすぐ準備ができるのか」、「画面の見え方や立ち位置のダブルチェック」などが円滑に共有できるので、日本側ではとても心強く感じました。

グローバルリエゾン

コロナ禍中での、国際フォーラム開催。
ホスピタリティとリアリティの実現へ

司会/当初、この国際フォーラムはリアル開催であったと伺いましたが、開催時期が、新型コロナウィルス感染症に対して十分な対策をする必要がある時期と重なってしまったのですよね。

森/主催者は、リアルに人と人との対面のコミュニケーションを行って初めて成り立つ活動をされているお客様でした。そのため当初の計画では、基本的に海外登壇者は全員、日本に来日して講演頂く予定でした。しかしながら新型コロナウィルス感染症の影響により、全員来日いただく予定が一部の参加者のみになり、その後、感染症が拡大するにつれて、ついに国際フォーラム開催1か月前には、海外登壇者全員がオンラインによるリモート出演へ変更となり、急遽ハイブリッド型仕様へ変更することになりました。

司会/国際フォーラムにおいては、親密なコミュニケーションが不可欠ですから、主催者としては苦渋の決断をされたと思います。ハイブリッド型への仕様変更において、具体的にどのような課題や要望があり、どのように対処されたのでしょうか。

森/まず1つ目の課題は、「国賓級の海外VIP登壇者への手厚いホスピタリティの提供」についてです。主催者側としては、海外VIP登壇者に対して、現地での十分なサポートなくオンラインでバーチャル登壇いただくことに対して、心配と抵抗感がありました。

米山╱主催者、および海外VIP登壇者の心配と抵抗感を払拭するためには、運営側による万全なサポート能力を示すことが大切です。そのために、まず、シンガポール拠点であるJTBアジアパシフィックにこの国際フォーラム開催の趣旨を理解いただき、日本側と現地サポートの範囲を明確にし、そして各都市におけるスペシャルチームの設置をお願いしました。このチームの設置においては、海外の複数あるパートナー企業の中からの選定がとても重要なポイントでした。例えば、今回のイベント内容の類似案件経験の有無や、技術者の技術力・対応力のレベル感はどうか、という点です。

海外パートナー企業決定後は、JTBアジアパシフィックを中心に複数回、各都市リエゾンスペシャリストと各都市のパートナー企業の技術者を交えて、オンライン会議を実施しました。
特に技術的な環境確認のオンライン会議においては、日本側の責任者である吉井社員が、各都市における機材のスペックや技術者の対応力、インターネット回線事情や、主催者が指定された講演会場の環境の事前確認も全て行いました。リハーサルについてはそれぞれのVIP登壇者のスケジュールに合わせて、開催前日と当日に念入りに実施しました。

吉井/2つ目は、「オンラインよるバーチャル出演においては、リアリティを追求し、あたかも日本の会場に居るかの様な、特別な演出を実現させたい」という強いご要望がありました。実は、ハイブリッド型だからこそ、遠隔地にいるプレゼンターを、あたかも同じステージに登壇しているかのように見せる仕掛けを施すことは可能です。いわゆるグリーンバック(注1)と2DCG(注2)を活用した仮想空間を構築することを提案し、採用されました。この環境は基地局である日本側ももちろん、海外VIPが登壇する各国側でも要件を満たす映像を作り出す必要があります。ただ、これらを可能にするには、開催1か月前という準備期間の短さが懸念点でしたが、2DCG画像作成から映像合成、そして視聴者への配信までをワンストップで実現できるスペシャルチーム、グローバル・リエゾンサービスが大変役立ちました。

また忘れてはいけないのがハイブリッド開催に対応した会場の環境整備、具体的にはネットワーク環境を整備することです。今回の会場は本格的なハイブリッド開催が初めてだったこともあり、専用回線の手配のみならず会場までの引き回し工事も必要となり、この工程管理も必要になりましたが、現地企業との強固な連携により無事に対応ができました。

※(注1)グリーンバック:プレゼンターを緑色の幕の前に立たせて撮影することで、緑色の部分を他の画像でマスク(覆い隠す)ことができる仕組み。
※(注2)2DCG:奥行きの情報のない2次元の平面を背景にしたコンピューターグラフィックス。このグラフィックスを背景にグリーンバックで撮影した人物を合成することで仮想空間をステージに見立てることができる。

イベント演出

主催者、海外VIP登壇者から満足度が高い評価に

司会/主催者だけでなく、国際フォーラムにオンラインで参加された海外の大臣クラスの方からも、称賛をいただいたと伺っています。

森/JCDは、国際フォーラムの豊富な実績、そして多彩な人材と専門家によるワンチームにより、急な仕様変更にも関わらず、重要なこの国際フォーラムを無事に成功に収めることができ、主催者や参加者の期待を上回るサービスを提供することができました。
コロナ収束が見えない中では、特に海外VIPに登壇いただくような会議・イベントでは、「安心・安全」の視点から、今回のようなオンライン・ハイブリッド化が主流になっていくと思います。
今後も、グローバルイベントのシーンで国境を越えた参加、現地でのフォローアップが必要なVIPが登壇するイベントなどにおいて、丁寧できめ細かなサービスを提供してまいります。



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