企業と内定者に好循環をもたらす
内定式の役割とは

ここ数年、人的資本経営への取り組みが重要視される中で、新入社員も企業の成長に欠かせない貴重な戦力として期待されています。入社後に能力を発揮して活躍してもらうためにも、内定者に早い段階で企業について理解してもらい、少しでも不安を払拭して入社してほしいという想いから内定式に注力する企業が増えています。そこで今回は、JTBコミュニケーションデザイン(以下、JCD)コーポレートソリューション部の大谷と本多が担当した内定式を通して、その重要性について語ります。

企業イベント 内定式


内定式は企業理念を再認識し
社会人としての自覚を高める好機


大谷
企業が内定者にアプローチする最初のイベントとなるのが内定式です。内定者の皆さんは、おそらく就職活動中に企業研究などをしっかり行っているはずですが、採用が決まるといったんリセットされてしまう学生も多いと思います。だからこそ、入社式の約半年前に行われる内定式は、自身が入社する企業の理念や方向性などを再認識し、社会人になる自覚を呼び起こす絶好の機会ではないかと感じています。

本多
JCDに入社して現在3年目になりますが、私自身も採用が決まって就職活動を終えた当時は心身ともに開放されて、残りの学生生活をどう楽しもうかなと考えていましたね。周りの友人たちもそうだったと思います。そんなちょっとフワフワした気持ちで過ごしている時期だったからこそ、内定式で内定通知書を手にして、4月から一緒に入社する同期と対面したり、自分の働く会社について知ったりすることで、「私は社会人になるのだ」という心構えが改めてできました。内定式がないまま入社していたら、どんな仕事をするのだろう、どんな人たちと働くのだろう…と、期待感より不安感のほうが大きくなっていたと思います。

大谷
生産年齢人口の減少により、昨今、多くの企業が十分な人材を確保することが困難になっています。採用において最大の課題ではありますが、採用人数を増やせば解決できるというわけではありません。いかに企業にマッチする人材と出会い、エンゲージメントを高め、内定辞退率を下げられるかなども大切なポイントです。そこには企業側が自社で働くことの魅力を、内定者にどれだけ伝えられるかが関わっていると感じます。

企業イベント 内定式

本多
内定式は企業が抱える課題を解決するためだけのイベントではありません。内定者に対して企業側から「理念」「ビジョン」「文化・風土」などを伝えて理解を深めてもらうことで、社会人としての自覚や働くモチベーションを促し、企業の規模感を理解してもらうと同時に、内定者同士の交流創出の機会を作る場だと思います。このように内定式を捉えて実施することが、結果的に企業が求める人材の確保につながっていきます。

企業の想いや狙いに寄り添い
多彩な手法で式づくりを


大谷
内定式を開催する目的は企業ごとに様々です。企業について知ってほしい、内定者同士でコミュニケーションを図ってほしい、内定者の不安を払拭したいなど多岐に渡り、どの部分に注力するかは企業によって優先順位が異なります。だからこそ、企業側の要望をヒアリングして、どの手法で内定式を行うのがよいのか工夫を凝らしたベストな手法を私たちは提案しています。

本多
例えば、グループ会社合同で採用を行った企業からは、「内定式をリアル開催して企業の規模感や内定者同士の交流を図ってもらい、この会社を選んでよかったと実感してほしい」というご要望がありました。それを実現するプログラムとして「ワールドカフェ」※というアクティビティをご提案しました。
※「ワールドカフェ」…創造的なアイデアや発想を生み出すために考案されたコミュニケーション手法のひとつ。参加者がリラックスして話し合いができるように、カフェのような空間を演出することで有意義なやりとりができ、参加者の間で一体感や親近感を得られるというメリットがある。

大谷
私たちが行った内定式の「ワールドカフェ」は、数名のグループが決められたテーマについて各テーブルで意見交換を行うスタイルです。内定者はそれぞれアイデアを出し合い、模造紙に発言内容をメモし、時間がきたら各テーブルのホスト1名以外は他のテーブルに移動して、同じテーマについて新たなメンバーと再びアイデアを出し合います。これを繰り返すことで自分の中に様々な考え方を取り込むことができ、参加者全員でひとつのテーマについて話し合ったという一体感が生まれるのです。

本多
内定者たちは初対面ですが、各テーブルを回って意見交換をすることで、内定者同士で話し合う時間や考える場を共有できます。実際に参加した内定者からは、「同期のことを知ることができてよかった」「入社の不安が払拭された」「コミュニケーションが取れてよかった」など、好評でした。

大谷
一方で、コロナ禍を経てオンラインでの内定式のご要望も増えています。内定者がどの場所にいても参加できるというメリットは大きいですし、内定者に対して広く参加できる機会を提供しているという企業の姿勢を示すこともできます。

企業イベント 内定式


本多
私が担当したオンライン内定式は、オープニング映像でスタートし、人事担当者や人事担当役員・執行役員が登場して祝辞を述べ、そのあと内定者紹介を行うという流れで実施しました。内定者紹介は、1人ずつオンライン上で顔出しをしてもらい、人事担当者が名前を読み上げました。それと同時に、事前に募集したメッセージも一緒に映し出して、内定者が手を振るという内容です。 オープニング映像には、企業側が内定者に伝えたい想いを込めました。今回の場合は新しい企業像と高揚感や勢いを表現したいという人事担当者の意向を踏まえて、前半では事業の領域や内容を伝え、後半では人事担当者にも登場していただき、実際に会社で働く様子を盛り込みました。「こんなふうに働けるんだ」というイメージを、内定者の皆さんに持ってもらえるような映像が制作できたと思います。

大谷 プログラムとしてはシンプルかもしれませんが、その中においても伝えたいメッセージを確りと表現できることは、リアル・オンライン開催ともに多数の企業イベントを手掛けてきたノウハウと蓄積がある当社の強みだと感じています。

内定式にとどまらず
連動性のある施策を展開を


大谷
内定式は、内定者が4月から社会人としてスタートすることを自覚する好機であり、企業と内定者、あるいは内定者同士がコミュニケーションを図る大切な場です。だからこそ、採用から入社までの一連の流れの中に内定式があるという認識が重要なポイントになってきます。内定式で何を伝えるのか、どういう人材に育ってほしいのか、企業としての想いを表現することに意義があるんです。

本多
内定式や入社式はもちろん、JCDには様々なインナーイベントをプロデュースしてきた実績と経験に基づく、表現方法の引き出しがたくさんあります。企業からのあらゆるご要望に対して、イベントのプロフェッショナルが最適な提案をできるので、これから入社する企業に対して内定者の皆さんが期待感を抱いてもらえるような内定式を作り上げられると考えています。

大谷
事業領域を問わずどの企業も採用に関する課題を多く抱えている中で、今後いかに企業にマッチする人材と出会えるかが、経営における大切なファクターになっていきます。例えば内定式だけにとどまらず、入社まで約半年間という時間がありますので、内定者に向けて企業が何をできるのかを人事担当の方々と一緒に考えて、様々な施策を提案していきたいと思っています。

大谷直之
コーポレートソリューション部
モチベーションイベント局
営業第一課 課長

大手の通信会社や人材派遣会社のマネジメントなどを経て2015年に入社。「周年イベント」「株主総会」「社内表彰式」などあらゆる企業イベントをオールマイティーに手掛ける。平日は120%で仕事に向き合い、休日は趣味の散歩でリフレッシュし、オンオフを切り替えている。

大谷直之 コーポレートソリューション部 モチベーションイベント局 営業第一課 課長
本多茜
コーポレートソリューション部
モチベーションイベント局

2021年入社。入社後は主に企業のインナーイベントを中心に「社内表彰式」「入社式」「内定式」「株主総会」等、リアル・オンライン・ハイブリッド問わず、様々な企業イベントを担当。よさこいファンで、自ら踊るのも演舞を見るもの大好き。コロナ禍が落ち着いてきたため、新しいよさこいチームに加入しようと計画中!

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