オンラインイベント事例「産学連携イベント」

オンラインイベント産学連携事例

デジタル化の進展と新型コロナウイルス流行が重なり、さまざまなイベントがオンライン化となるなか、大学をはじめとする教育機関や研究機関でも、多種多様なイベントのオンライン化が必須となりました。
JTBコミュニケーションデザイン(JCD)で手掛ける様々な教育・研究機関のオンラインイベントの中から、1つ事例をご紹介いたします。

教育機関や研究機関が開催するイベントのひとつとして、産学連携を目的としたものがあります。
産学連携とは、オープンイノベーションの思想のもと、大学や研究機関の研究成果やノウハウを企業が製品開発に活かし、実用化や産業化へと結びつける取り組みです。
イベントを通じて、企業側は、社内の資金・設備・技術力の不足を連携によって補い、効率的な研究開発が可能となり、大学や研究機関は、企業からの市場や企業のニーズ情報をもとに実用化に向けた的確な研究を行うことができるほか、共同開発による研究資金の調達なども可能となり、双方にメリットがある取り組みです。
企業と大学や研究機関にのみ、メリットがあるわけではなく、研究の進歩や技術の実用化などは私たちの暮らしを豊かにするものでもあり、SDGs17の目標「9.産業と技術革新の基盤を作る」の取り組みにも直結し得る、世の中の発展のために引き続き重要で必要な取り組みになっています。

本コラムでは、このような産学連携のきっかけづくりに欠かせないイベントをオンラインで開催するにあたり、有用なイベントプラットフォームのご紹介と、JCDならではの切り口やソリューションについて、イベントプロデューサーの目線で語ります。

PROFILE 紹介===========================================
桑鶴直樹
JTBコミュニケーションデザイン
コーポレートソリューション部 ミーティング&イベント営業3局 イベントプロデューサー

2007年のJTBコミュニケーションデザインの前身であるICSコンベンションデザインに中途入社以来、企業向けのイベントプロデュースに従事。主にIT業界や金融業界、教育機関における各種セミナー、展示ブース、記者発表会、大型大会などの企画・運営を豊富に経験。
==================================================

司会
産学連携イベントの開催目的について教えてください。

桑鶴
そもそも産学連携とは?という部分とも重なりますが、産学連携を行うことによって、大学や研究機関にとっては、自分たちの研究成果をどのように社会課題に活かせるかを企業との連携により探ることができると同時に、企業は大学や研究機関の研究成果を取り込むことで、自社で研究開発するよりもコスト面でも成果の面でも効率的な商品開発へと繋げることができ、大学・企業双方にとってメリットのある取り組みとなります。
したがって産学連携イベントというのは、その産学連携のきっかけを研究機関/企業の双方に与え、ニーズのマッチングの場となることが、大きな目的のひとつとなります。

司会
事例イベントの概要とJCDが担当した内容を教えてください。

桑鶴
今回事例とするイベントは、主催大学の研究成果を対外的に発信するとともに、大学の研究成果と企業を結び付け、大学研究と企業開発のさらなる成長を目的に開催されました。

これまで、セミナーと展示の2本柱でリアル(オフライン)開催にて実施していたものを、オンラインで実施するという部分で、従来のセミナー(オンラインではウェビナー)、展示に加え、マッチングを可能とするオンライン交流という3本柱の構成に変更し、EventHubというイベントプラットフォームを利用して実施しました。

期日もウェビナーのLIVE配信の形で2日間開催した後、アーカイブとしてウェビナーコンテンツを開催。
出展者と一般参加者のマッチングを可能とするオンライン交流は約1か月間いつでも気軽に交流できる形で実施しました。
オンライン展示ブースは、オンライン上で100の研究シーズと30の企業が出展しました。
総勢2000名強の参加者が1か月間にわたってアクティブにプラットフォームに訪れる盛況なイベントでした。

本イベント開催にあたり、JCDでは、企画段階から携わらせていただき、出展者事務局・参加者事務局の運営、イベントのティザーサイトやメインページの構築、会期2日間の中で配信されるウェビナーの配信運営などイベント全体の企画・運営を請け負い対応させていただきました。

司会
従来オフラインにて開催されていたイベントをオンラインで開催されたのですね。このオフラインからオンラインへの移行によってイベント自体で変わったことはありましたでしょうか?

桑鶴
様々な方がイベントに参加でき、情報を享受できるようになったことが、今回一番大きく変わった部分だと思います。
当初、主催者様からご相談いただいた段階では、従来オフラインでやっていたイベントをそのままオンラインで代替して実施できないかといったことでした。
しかし、オフラインイベントとオンラインイベントはやっていることは同じに見えても、それぞれに長けている部分があり、全く同じ効果を求めて実施するのは難しく、JCDとしてはオンラインイベントだからこそできるメリットを提案させていただきながら、今回のイベントを開催する意義を主催者とともに再確認するといった作業を行いました。

そのような中で、今までは2日間の間で実際に会場に来られた方にしか資料の提供や交流の機会はありませんでしたが、オンラインとすることで会期自体は2日間でも、開催前後での参加者の交流期間を設けたり、継続的な展示、ウェビナーのアーカイブ映像の閲覧を可能とし、多くの方がイベントに参加することを可能としました。
またオンラインイベントとなり、全国ひいては全世界から24時間参加が可能となったことで、イベントのリーチが広がる形となり、結果として単純な参加者数ではありますが、オフラインで実施していた際に比べ約2倍近くの参加者にご参加いただくことができました。

司会
イベントプラットフォーム「EventHub」採用のポイントについて教えてください。

桑鶴
「EventHub」とは、ひとつのプラットフォーム上で映像配信、展示、商談といったイベント実施に必要な機能が利用できるほか、イベント運営に必要な参加登録、参加者管理、アンケート、イベントデータ管理などの機能を一括して利用することができるイベントプラットフォームです。今回のイベントにおける採用の決め手を一言でいうのであれば、開催に必要であった様々な機能を網羅していたといったことになると思います。

具体的な必要としていた機能は下記4点です。

1つ目は映像配信のマルチトラック機能です。今回のイベントでは2日間通してウェビナーコンテンツが同時並行で2ライン配信するスケジュールとなっておりました。映像配信ができるイベントプラットフォームは多くありますが、同じプラットフォーム上で同時に2つ以上の映像配信が可能で、別のページへの遷移なく参加者が任意のウェビナーを簡単に行き来できるといった点はEventHubが優れておりました。またマルチトラックの機能とは別ですが、イベントページに入ってきてすぐに映像配信画面が表示されているといった部分も、参加者にとってわかりやすい点かと思っております。

2つ目は商談機能です。今回のイベントは産学連携イベントとして、参加者と出展者の交流が大きな目的としてありました。EventHubでは参加者が興味のある展示や出展者を見つけたらその場で簡単にチャットを送り交流することが可能です。チャットを受け取った方には、メールにて通知が飛ぶ仕組みとなっているので常にログインしている必要もないといった部分も優れていた点です。またチャット機能のほかに、さらに具体的にお話してみたいとなった際には、会期中に設定された商談スケジュール枠の中で商談リクエストを送り、相手が承認すれば、MTGボタンをクリックするだけでそのままブラウザ上でオンラインミーティングを実施することも可能です。さらに会期中の商談枠については参加者・出展者ともにそれぞれ自分の商談可能時間を設定し公開することができ、スムーズなマッチングが可能となっております。今回のイベントでは、会期の2日間に30分ごとの商談枠を設け、前述の機能を利用し交流を実施いたしました。

3つ目は展示や出展者の検索機能です。前の商談の部分でもお話した通り、参加者と出展者が交流することが大きな目的としてある本イベントですが、展示数だけでも約130ブースと大変多く、その中から参加者が自分の興味のある展示や出展者を探し出すのはかなり難しい作業となります。EventHubでは各出展者ページにタグやキーワードを設定することで、検索バーより簡単に興味のあるものを探し出すことができます。今回のイベントでは、研究分野やカテゴリーのタグやキーワードを設定し、参加者がスムーズに検索ができるようにいたしました。

4つ目は日英言語対応機能です。今回のイベントは海外からの参加も対象にしていたため、少なくとも英語表示の対応が必要となりました。その上で、通常のオンラインイベントの場合、日本語版ページ/英語版ページをそれぞれ作成しなければならないところ、EventHubであれば同一のイベントページ上で、参加者のウェブブラウザーの選択言語によって日本語表示/英語表示が自動的に切り替わる形となっており、同一のイベントページに全ての参加者が集わせることができ、また制作コストとしても抑えることができました。

また機能とは別に、プラットフォーム自体が参加者や出展者全ての人にとって操作性に優れていたことも採用ポイントとして挙げられます。参加者がイベントに参加しコンテンツを回遊する時のわかりやすさはもちろん、今回のイベントでは、各出展者に自身の展示ブースの作成をお願いしていたため、その際の作成操作が直感的にできるぐらいわかりやすいといった部分も重要なポイントでした。

司会
ここまでお話を伺っていると、EventHubのプラットフォームさえあれば主催者のみで、JCDが関与しなくても完結しそうですがいかがでしょうか?

桑鶴
確かにEventHubのプラットフォームはかなりわかりやすく優れたプラットフォームのため、ウェビナー・展示・商談の機能を利用すれば主催者だけで開催も可能かと思います。ただし、どのようなプラットフォームの使い方をするか、イベントに対してどのようなスケジュールを立てるのか、出展者をどの期間にどのように集めていくのか、出展者に機能をどのように説明するのか、参加者にイベントの参加の仕方をどのように伝えていくかのような部分で、JCDのようなイベントのプロが入り策定していくことでより効果的・効率的なクオリティの高いイベントを作成していくことができると思っております。特にどのようにイベントプラットフォームを使うかについては、我々のような何度もプラットフォームを利用した経験があるプロデューサーが入ることで、プラットフォームの持つ最大限のパフォーマンスを発揮させることができると考えております。

またこれは産学連携イベント特有なことではありますが、企業イベントに比べステークホルダーが多岐に渡り、情報の交通整理や制作スケジュールの管理などの部分において少し煩雑になるケースがあります。出展者部分だけとっても対象の方が企業の方だけでなく、教授や学生の場合もあり、一概にすべて同じオペレーションでの対応が困難な場合もあります。そうした際に私たちイベントのプロがなかに入り、制作スケジュールや情報、完成形のイメージを共有し進捗の管理・調整していくといったことも重要だと思っております。このような部分はPCO(Professional Congress Organizerの略)としてJCDが長年培ってきたノウハウであり、出展者管理だけでなく、主催者と連携し会場手配から制作などの事前準備、本番の運営、事後サポートまでを総合的にワンストップで実施できることが、イベント制作会社を使うのとは違う、JCDをご利用いただく主催者様のメリットだと考えております。

司会
EventHubのようなプラットフォームとJCDが組み合わさることで最大限のパフォーマンスを発揮できるといったことですね。
プロデューサーの企画とアイデア、活用方次第では同じプラットフォームでも幅広い活用の仕方がありそうですね。EventHubではどのようなことができそうでしょうか。

桑鶴
たしかに複数のイベントでEventHubを利用してきて、別の形態のイベントでの利用や、さらにはイベント以外の分野での活用も可能であると感じております。例えば、EventHubの契約形態上1年間利用できるといったところから、イベントであれば、年間でシリーズ型のイベントを複数本開催することで、ターゲットに対して頻繁にアプローチする施策を打つことができ、かつ1回あたりのプラットフォーム単価を抑えた形で実施ができ、お客様にとってメリットの大きいイベント開催ができると感じております。またイベント以外の分野での利用でいうと、このwithコロナと呼ばれる状況のなかで組織内のコミュニケーションがうまく図れていない大学や企業で、参加者同士が簡単に交流しながら情報交換できる場としての利用もできるのではないかと思っております。このご時世で人事系ソリューションを持つ多くの企業が、タレントマネジメントシステムを開発していますが、同一のプラットフォーム内で交流やイベント配信ができるものはなかなかないかと思います。そのような中で例えば大学であれば、ゼミや部活・サークルの情報発信や交流、大学側から学生に対しての情報発信の場としてオンラインオリエンテーションの実施などが、EventHubを利用すればできるのではないかと考えています。同じ興味を持つ学内の仲間やグループを見つけたり、企業内であれば欲しているスキルを持った社員を見つけだし、さらに交流することができる場としての導入も可能なのではないかと思います。これまでは単発のイベントでイベント本番日と前後の少しの期間での利用が多かったですが、このような形で長期的に組織内ツールとしての使い方もできるのではないかと考えております。

またイベントではありますが、実際に弊社で企画運営をさせていただきました別のイベントで、とある企業の数百社程度あるグループ会社の情報を一同に掲載し、グループ各社の従業員に対して発信するといったイベントもありました。目的としてはグループ会社間の理解や認知を深め、グループ横断的な横のコミュニケーションを創造することにあったと聞いています。こちらもEventHubを利用し開催したことで、情報の掲載だけでなく、参加者としての従業員が興味のあるコンテンツやサービスを持つグループ会社に対してアプローチし交流ができるといった部分がおもしろい取り組みのイベントであったと思っております。

司会
組織内の課題を解決するためのインナーイベントや組織内ツールとしても利用ができそうですね。
最後に一言お願いします。

桑鶴
まだまだwithコロナと呼ばれる状況が続く中で、オンラインイベントは引き続きイベント開催手法の主流として実施されていくと思います。そのような中で、オンラインイベント/オフラインイベント/ハイブリットイベントそれぞれの開催の意義やメリットなどを整理し、お客様の課題解決にとってより適した開催手法のご提案、そしてプラットフォームのご提案をして参ります。
またJCDではイベントソリューションの他にもプロモーションやHRソリューションを持っており、単にイベントのみでお客様の課題を解決するのではなく複合的にお客様の課題解決に取り組むことが可能です。
引き続きお客様に寄り添い、JCDがこれまで培ってきたノウハウやスキルを集結させ、お客様の真の課題に即した解決策や企画をご提案して参りたいと思います。

==================================================
JCDは株式会社EventHubと、セールスパートナー契約を締結し、オンラインとオフラインを併用させ、従来のイベントにしっかりとデジタルを融合し、顧客価値最大化をより高度に実現できるよう協調してまいります。

JCDへのお問い合わせは、こちらからご連絡ください

お問い合わせ

資料ダウンロード

関連事例