海外プロモーションの成功のカギを握る
効果的な海外でのイベント開催とは
JCDイベントプロデューサーが作る マーケティングイベント 〜その裏側の仕掛け、想い、すべてみせます!〜
2021年11月26日に行われたJTB主催のハイブリッドイベント「JTBビジネスイベント革命2021」。ニューノーマル時代における新たなビジネスコミュニケーションの共創を目指し、リアル開催とオンラインソリューションを交えたハイブリッド型*による画期的なイベントが成功裏に幕を閉じました。
JTBコミュニケーションデザイン(以下JCD)では、本イベントの一部をサポートさせていただきました。今回のコラムでは、その事例を交え、構想から企画・運営・実施を手掛けてきた実力派イベントプロデューサーたちが登場し、新しい時代のマーケティングイベント施策や効果的な仕掛け方、さらにはJCDならではの戦略性をもったイベント制作の強みと将来性について熱く議論を交わしました。
これからイベントを仕掛けたいと思っている担当者様たちが、イベントの仕掛け手としてイメージを掴みやすいように、具体的な進め方や効果的な施策事例、そしてJCDイベントプロデューサーたちの活用の仕方についても余すとこなく語っています。
*ハイブリッドイベントとは、実際のイベント会場とオンラインで展開するライブ配信やバーチャルルームを併用して行うイベントです。
Speakers====================================
株式会社JTB コミュニケーションデザイン(JCD)
塩谷 久美子 (コーポレートソリューション部 ゼネラルプロデューサー)
國原 尚史 (コーポレートソリューション部 エクゼクティブプロデューサー)
松長 良博 (コーポレートソリューション部 プロデュース局 マーケティング統括)
堺 亮介 (コーポレートソリューション部 Strategic Meetings Management担当)
吉井 和人 (総合企画部 DX推進プロジェクト イベントプロデューサー/イベンテックエバンジェリスト)
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(文中敬称略)
※社名・肩書きは対談開催(2022年1月)当時のものです。
JTBビジネスイベント革命2021の成功要因とは。
塩谷
ビジネスの現場では、ニューノーマルそれ自体が、最早ノーマル化した昨今。企業の重要な経営課題として、コミュニケーションのあり方を改めて考える必要があります。そうした現状を踏まえ、ビジネスコミュニケーション機能を担うビジネスイベントは、どのように創っていくべきか。「JTBビジネスイベント革命2021」というタイトルをご覧いただくとわかるように、そこには私たちJTBグループの強い想いが込められています。振り返ってみてみると、開催目的や手段なども含めて、ニューノーマル下に於けるビジネスイベントの新たな開催価値や方向性を示したイベントになったと思います。本イベントを通して、JTBグループがビジネスソリューション戦略として主体的・先進的に取り組んでいるビジネスコミュニケーションの重要性理解や認知度拡大といった目的が達成されたのではないでしょうか。
今回はリアル参加者とオンライン参加者を融合させたハイブリッド形式を採用し、東京ポートシティ竹芝 ポートホールをメイン(リアル)会場として実施しました。リアルでの参加者は100名、オンラインでの参加者は5,000名を想定し、企画しました。
松長
ターゲティングの考え方として、マーケティング的には、今後の営業展開にもつなげるという意味で、より多くの人を集めることよりも、やはり参加者の質を重視するべきです。リード(見込み客)の質が、次の営業展開に繋がりますからね。その意味ではちょうど良い参加者数になったのではないかと思っています。
塩谷
企業が実施するビジネスイベントの開催は、コロナ禍においてリアル開催だけではどうしても難しく、またオンライン開催となるとプラットフォーマー含め競合他社も数多く存在しています。そういった市場環境の中でJTBならではの強みをアピールするために “私たちならお客様の目標達成のために、戦略性を持ったイベントができる!” というショーケースとなりうるような構想を練りました。その一例ではございますが、JTBと契約を締結しているオンラインイベントプラットフォームのCventの機能を活用したイベントの実施例を、リアル・オンライン共に来場者に体感してもらっています。
今回オンラインでもイベントを開催しましたが、冒頭のターゲティングでも触れた通り、まずはJTBがイベントを手掛けていることを認知させる狙いがありました。その目的としては、JTBの既存顧客へのさらなるコンテンツバージョンアップを知らしめるためのプレセンテーションの場をつくること。さらにJTBのイベントを知らないイベント担当者へのPRを図り、新規顧客獲得へとつなげていくことです。
このような趣旨を補強するために、JTBのイノベーションについてご理解の深い法政大学大学院 教授・一橋大学名誉教授の米倉 誠一郎氏による基調講演やJCDの本部長との対談もイベントプログラムに盛り込みました。これらはターゲット設定を考えてのことです。もちろんイベントのゴール設定やKPIも念頭に置いていたのは言うまでもありません。
具体的には、オンライン参加者に対しては、JTBがビジネスイベント手掛けているということを知らしめるため、より認知拡大を重視する形で目標設定を行い施策を展開しました。イベントひとつをとっても、開催趣旨やその目的、ターゲット設定などをきちんと把握してから始めることで、イベントをマーケティングへと活用できるのです。
イベントの全てをJCD内のプロデューサーたちで賄う強さ。
イベントの構想段階
塩谷
まずはイベント主催者が“何をやりたいのか”“何が課題なのか、これらを明確にする必要があります。それに対して解決策をお客様と共に考えていくことからスタートします。時としてお客様の課題解決には、プロフェッショナルの視点からイベントではない提案をすることもあります。私たちの考えを一方的に押し付けるのではなく、共に考えて答えを導きだしていくことが、構想段階におけるイベントを成功へと導くためのポイントなのです。
イベントの企画・制作・運営
國原
塩谷さんが最初にクライアントにアプローチして、課題解決の方法や実施目的、達成指標を設定した次の段階で、テーマ設定やコンテンツの選出、演出など企画・制作・運営を同じJCD社内の私が担当します。まずはイベントで、課題をどのように達成するのか。ここを出発点にして具体的な企画に入っていきます。どんな会場で、どんなプログラムでやるべきなのか。実際のイベント現場ではどのような体制で運営していくのか。これらをひとつひとつ考えていきます。ちなみにJTBビジネスイベント革命2021では、ステージ演出や進行といったことまでも、JCDの社内外のスタッフを交えて取り組んでいます。
デジタル戦略
吉井
今回のイベントのデジタル戦略としては、オンラインイベントプラットフォームのCventを活用しました。ただこれ自体には、オンラインイベントを行うための配信サービスは含まれておりません。ですからCventが契約もしくは推奨している外部の配信サービスの中から選択と選定をする必要がありました。そこで要件定義から始まり配信サービステストを実施したうえでコスト計算、バックアップやトラブル対応までを含めた一番適応性のあるサービスを選定する作業が肝になり、こうしたデジタルの部分でも一貫してJCDでは内部で対応できるのです。
堺
Cventの話がでたので引継ぎますが、ハイブリッドイベントで有用なこのプラットフォームの価値は、エンゲージメントが高められることです。たとえばセッションを視聴している方たちへ、参加者同士が直接話せるチャット機能やQ&A機能を使って参加者が投票できる仕組みを活かしたりするなど、参加者が常にリアルタイムで捉えられる仕組みがあります。つまりリアルであっても、オンライン参加でも、より平等な環境でイベントを体現できるようシステムを構築できるのです。
マーケティングイベントで効果を発揮するCvent
松長
私はこれまでCventの導入推進を担ってきておりましたので、Cventをマーケティングイベントでどう活用できるのかという観点でのアドバイザーとして、またJCDのマーケティング担当として、JCDメンバーとのつなぎ役を本イベントで担当いたしました。2020年頃からオンラインイベントプラットフォームの選定などに携わってきた中で、わかったことがあります。オンラインイベントの良さは、なによりもマーケティングデータが得られるということです。そういう意味でCventは、これが的確に得られるツールです。何よりもイベント最中の行動ログが最も細かく取得できるシステムであると実感しています。マーケティング的な視点で捉えると、行動ログが取れれば、イベント後の営業活動につなげるマーケティングでも利用できますからね。
スコアリングの自動集計機能も搭載しているので、イベントをオンラインで視聴すればカスタマージャーニーのそれぞれの位置でのエンゲージメントスコアがイベントを実施しているその場で明確に示されるのです。つまりリアルタイムでお客様のマーケティングデータがわかるデジタルアジリティが可能になります。
先ほどのお話にもありましたが、今後マーケティングイベントでは、目的設定がとても重要になってくるでしょう。目的にあわせたターゲティングやイベントプログラム設計において重要である部分に高いスコアをつけるというようなスコアリング設計をしてからイベントを実施する。そして、イベント実施中も瞬時にマーケティングデータを得て分析を行うことが可能になってくるのです。こうした一連のマーケティングの流れを私たちJCDは単体で担える強みがあります。
堺
Cventのマーケティングイベント活用は、まだまだ可能性を秘めています。今後、単純な配信ではないエキスポ型にすることもできますし、バーテャルブースを設置するなどして、お客様がイベント内でどのように行動したのかが分かるよう、より精度の高いデータを得ることもできるでしょう。
見えてきた課題
國原
イベントプロデューサーである私個人としても、JCDとしても、これまで以上にハイブリッドイベントの可能性を追求していかなければならないと感じております。私は主にイベントの演出や運営を担当しておりますが、今回Cventなどのイベント管理プラットフォームを使ったオンラインとリアルイベントの成功体験を通して、初めてハイブリッドイベントの入り口に立てたと思っています。可能性ややり方、実現方法など、もっと工夫すべき点・改善点は多々あります。今後はデジタルとリアルの現場をフィックスさせて、より効果的なハイブリッドイベントを企画できるようになるかが、私個人としての今後の課題です。
吉井
今回実施したイベントは、ハイブリッドイベントのショーケース的な意味合いもあったため、あまりインタラクティブな仕掛けがとれませんでした。「すべての人を取り残さない」ことを考えつつも、今後はスマートフォンなどのデバイスを活用したオンラインならではの没入感のある企画やリアルとオンライン相互のインタラクティブな仕掛けなどがスムーズに進行できるようになれば、さらに良いハイブリッドイベントになると確信しております。
塩谷
マーケティングイベントの可能性は、みなさんがおっしゃる通りだと私も思います。さらに付け加えるならば、“何をやるのか”という中味の魅力さや見せ方をクライアントと伴走しながら見つけだしていく作業やクライアントとの関係性作りの重要性が増したと感じております。
JCDの良さは、これまで数多くのイベントを手掛けてきた実績と、各分野でのプロフェッショナルを自社で抱えていることです。さらにハード面(手段)とソフト面(コンテンツ等の中身)を同時に提案できるのは何よりも強みと言えるのではないでしょうか。
JCDならではのマーケティングイベントの強み
松長
私どもJCDは全体で9つの事業領域があり、イベントをはじめとしたコミュニケーションに関わる幅広い専門領域をシームレスに扱うことができます。つまり同じ会社でお客様の課題解決のための施策についてイベントを始め、広告やPR、マーケティング、プロモーション等を駆使できます。媒体設計や予算配分策定など、統合マーケティングも得意としています。こうした総合的な視点からイベントの実施につなげていけるのです。的確な集客からイベントの実施、データ収集、結果分析、さらにはマーケティングサポートまでの一連の流れをJCD単体で行えるのは、なによりも私たち強みと言えるでしょう。
塩谷
お客様がイベントで得られたデータを、自社のセールスなどで効果的に使うためのツール展開までを、イベントの構想段階から念頭においています。
私たちJCDは専門性と総合力をもったプロフェッショナルがひとつの会社に在籍しています。ですから単なるイベント企画・運営会社ではありません。お客様が本来持っているマーケティング課題の解決策を導きだせる存在なのです。
イベントプロデューサーからお客様へ
塩谷
まず皆様が“何をしたいのか”。これに気づいてもらうところから、一緒に伴走しながらサポートいたします。課題の糸口をみつけるところから、ぜひご相談ください。
國原
顧客課題の解決を第一優先に注力していきます。オンラインやハイブリッドイベントは、日本ではまだまだ世界と比べ遅れをとっています。逆に言えば、それだけ新しいものを採り入れる可能性に満ち溢れていると感じております。お客様と一緒にこの可能性を広げていきたいですね。
吉井
ハイブリッドイベントが課題解決の手段となり、また効果が得られることを伝えるために、私たちは真剣に取り組まなければならないと、日々デジタルの世界にいる私自身が強く感じております。そのためにはJCDの総合力の価値を、これからも存分に発揮していきたいと考えております。
堺
コロナ禍になってから、イベントというものが感覚的なものからよりデータベースで分析して、イベントをより高度なマーケティング活動として活用できるものだと実感しております。イベントをデータ化することで、今後さらに効果へと繋がるイベントへとアップデートできます。JCDにご依頼くだされば、入り口から出口までの戦略を提供し、お客様に貢献できると思っています。
松長
アナログとデジタルのイベントは、現代では別物という表現が適当だと思いますが、アフターコロナ時代では、デジタルの世界のなかでいかにアナログ的な世界を構築するかを考え行く必要があります。そのような時代では、ハイブリッドイベントは、今と比べて全く違和感がなく存在していると思います。もはやハイブリッドとは言わなく世界になるでしょう。デジタルがイベントの中心となり、その中にいかにリアルの良さを組み込んでいくかを考えなければなりません。
またCventをはじめとしたプラットフォームは海外のものが主流です。オリジナルのままでは日本独自の文化に合わない機能や性質もございます。こうしたなかでJCDのもつグローバルな企業特性を活かして、日本独自の背景や文化、経済性を見据えた最適な課題解決力を提供していきたいと思っています。ご期待ください。
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株式会社JTB コミュニケーションデザイン(JCD)
コーポレートソリューション部 ゼネラルプロデューサー
社業・団体コミュニケーション施策・FC加盟店・販売代理店向けインセンティブ施策・周年事業施策等 イベントを通した顧客課題解決を目指し、常にお客様に寄り添いながらニーズに合わせた多彩な施策をプロデュース。
國原 尚史
コーポレートソリューション部 エクゼクティブプロデューサー
イベント業界10年以上。
金融業界・住宅メーカー・美容メーカー・服飾メーカー・外食系企業・通信系企業・システム系企業・飲料メーカー等様々な業界の企業ニーズに合わせた多彩なイベントを担当。
松長 良博
コーポレートソリューション部 プロデュース局 マーケティング統括
イベント業界のマーケティング部門を経て、現在は、広告、PR、イベント等のコミュニケーション事業の法人向けの部門でマーケティングおよびビジネスデザインを担当。
堺 亮介
コーポレートソリューション部 Strategic Meetings Management担当
法人旅行営業4年、イベント業界6年
外資系コンサルティング会社・外資系製薬会社のイベントを担当し包括的なSMM担当も経験
吉井 和人
総合企画部 DX推進プロジェクト イベントプロデューサー/イベンテックエバンジェリスト
イベントプロデューサーとして、製薬企業やIT企業の案件等に従事し、特に、機材・映像・音響・照明設備等のテクニカルディレクションに強みを持つ。ハイブリッド/オンラインイベントのプロフェッショナルとして、オンラインイベント研修講師やイベント登壇活動も行う。
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※社名・肩書きは対談開催(2022年1月)当時のものです。