イベント企画書はどう書けばいい?書き方や構成のポイントを徹底解説
マツダ株式会社 様
企業理念を体現する表彰式への転換。
「晴れの舞台を仲間と喜びを分かち合う」仕掛けでアワードの変革に成功
2023年7月、マツダ株式会社はコロナ禍でリアル開催を見送っていた表彰式典を、4年ぶりに実施した。2019年に表彰制度のコンセプトを“個”から“チーム”へと変更し、「マツダウィナーズ」から「マツダエクセレントアワード」へと名称も変更。新たなコンセプトのもとに実施したアワードは、事後の参加者アンケートで過去最高の評価を得た。ウィズコロナの環境下における800名規模のイベント実施に加え、新たな表彰コンセプトの伝播を目的とするイベントは、どのような経緯で実現し、参加者にはどう評価されたのか。エクセレントアワードの担当者に、4年ぶりのリアル開催となったアワードについて振り返っていただいた。
●インタビュイー
稲富貴久氏(マツダ株式会社 国内営業本部 国内ビジネス企画部 主幹)
:エクセレントアワード運営事務局の責任者
嶋村康代氏(マツダ株式会社 国内営業本部 国内ビジネス企画部 アシスタントマネージャー)
:表彰制度の運用と、エクセレントアワードの実務を担当
左:稲富貴久氏 / 右:嶋村康代氏
企業理念を体現するアワードへ
嶋村氏
今回、4年ぶりにリアル開催した表彰式典は、メインコンセプトを“個”から“チーム”へと大きく転換した節目となるイベントでした。2019年に長きに渡り表彰してきた「マツダウィナーズ表彰制度」を「企業理念(ありたい姿)」の実現に向けて高い成果をあげている”チーム”を称賛する「マツダエクセレントアワード表彰制度」へと制度と共に名称を改訂。2019年からは新たなコンセプトによる表彰制度の下に、アワードを開催する予定でした。しかし、コロナによって3年間開催を中止していたため、リアル開催にあたっては、新しいコンセプトへの変革を実感する「表彰式典」を、全国の販売会社から参加される招待者および引率代表者約 800 名のみなさんに前向きにとらえてほしい、そんな大きな意味を持つアワードでした。
稲富氏
従来の表彰式典は、クラシカルで厳かな感じでした。マツダブランドを押し出した、ステージに立つことが誇らしくなるような、いわゆる「THE 表彰式」という格式の高いイメージです。今回、新たなコンセプトでの表彰式典には、演出にも新しさを取り入れたいという漠然とした希望がありましたが、具体的な演出アイデアはなく、そこはプロの力を借りたいと考えました。
式典で実現したいことは、明確でした。
「(参加者の)心の満足につながる称賛」、「(マツダの販売会社として)ありたい姿の共有」、「招待対象外の方への伝播」。これら3つの目的を達成する提案を期待し、5社コンペを実施しました。
企業の想いをくみ取り、新たな挑戦と共に具現化された提案
嶋村氏
コンペにあたって、JCDからは当社がなぜアワードを新しいコンセプトにしようと考えたのか、新たな表彰制度が生まれた「背景」を深掘りする質問をたくさん受けました。表彰制度の細部まで丁寧にヒアリングし、理解を深めようとされていました。その熱心さは、他の代理店とは大きく異なり、好印象がありました。
そのうえで、JCDからは、マツダの行動指針をベースにした提案がなされました。行動指針のポイントは、真に「お客様に寄り添う」こと。そのためには、マツダのスタッフが「人に関心を持つ」ことが重要です。そこでまず、「仲間への関心」にフォーカスし、「仲間への関心・称賛がお客様に寄り添うことにつながる」との提案とともに、具体的な演出アイデアが提示されました。
JCDのプランは新規性があり、参加者の表彰式典に対する興味を喚起できるような楽しさを感じる提案でした。具体的には、会場を従来のホテルではなく音楽シアターに、真面目でオーソドックスな司会進行や厳かなBGMという旧来型から、スポーツDJを起用してノリのよい音楽で会場全体を盛り上げ、拍手の代わりにスティックバルーンを使用するなど、スタイルをガラっと変えるものだったのです。今まで実施したことがないシアター形式を提案したのは、唯一JCDだけでした。ホテルでの開催は、ステージと会場の一体感が醸成できないことにかねてより課題感があったので、この提案は新しいと思うとともに、「一体感が作りだせそう」という期待も生まれました。さらに、表彰店舗の映像制作においては、参加者以外の人も表彰店舗の実例から学びを得られるよう、後日販売店向けの研修用映像として活用することも提案されました。
稲富氏
加えて、当日のプレゼンテーションの熱量が、他社に比べて圧倒的に高かったことも印象的でした。同席していた若手社員たちが、「これぞプレゼン!」と感心したほどです。「心の満足につながる称賛」、「ありたい姿の共有」、「招待対象外の方への伝播」という、当社が式典において実現したいことを具現化する演出提案も、心に響きました。
嶋村氏
2019年の式典はJCDに担当していただきましたが、その時の現場経験から改善点も踏まえて新しい提案があったことも、評価のポイントでした。JCDは、現場で求められていること、必要なことを感じる力が高く、課題を解決する知見に富み、さらにそれを具体的に表現してくれます。当社が言語化やイメージできていなかったことを、コンセプトに添い、想いをくみ取って具体的に提案してくれたことが、選定の決め手でした。
同じ社内にいるような密なコミュニケーションで寄り添い、伴走してくれる心強いパートナー
稲富氏
難しさを感じたのは、今までにない新しい挑戦に対し、社内の了解を得ることでした。完成形が見えないなかで、達成したいことや想い、そのために必要な行動や演出を伝え、協力を得なければなりません。社内の説得や調整時の困りごとも、JCDを頼りにしたのは事実です。特にコストの調整に苦労した際には、プロの目からおもてなしの質・量とコストの適度なバランスをアドバイスしてもらい、窮地を乗り切りました。
嶋村氏
私たち運営事務局は、実質3名という少人数体制でしたので、全国の参加者からの問い合わせが集中する時期の対応でも、JCDの力を存分にお借りしました。当社は広島に本社がありますが、アワードを東京で開催するにあたり、なかには東京観光などのリクエストも寄せられました。こうした手配においてもJTBグループのチーム力が発揮されて、参加者からも好評でした。
また、コロナ感染リスクが完全に拭えない中、参加者の不安や温度差に対し、どこまでケアすべきかの判断は難しく感じましたが、困ったことがあればすぐに相談できる経験豊富なプロがいる心強さに、何度も救われました。JCDはコミュニケーションをとても大事にする会社だと思います。まるで同じ会社にいるような、密なコミュニケーションが図れました。常にそばにいて、最後まで一緒に走り切ってくれるパートナーの存在は、本当に心強くありがたかったです。
意図が細部にまで共有され、全スタッフが同じベクトルで場を作りあげるプロの仕事
嶋村氏
スポーツDJの起用やスティックバルーンの採用、POPな音楽や映像など、参加者に式典を楽しんでほしいという私たちの意図を汲んだ演出が、すべての企画に踏襲されていました。それは、事前に行われた公開オリエンテーション(リハーサル)から始まっていました。従来も事前にリハーサルを行いましたが、あくまでも目的は「厳かな式典で間違いがないように段取りを確認する」ことでした。それが今回は、晴れ舞台を「仲間たちと最高に楽しむため」の助走へと目的が転換され、式典に関わる裏方のスタッフも含めて、すべてのベクトルが「楽しさ・喜びを分かち合う」ことを醸成する方向を向いていました。リハーサルから大盛り上がりで、ワクワク感にあふれた場づくりができた思います。
稲富氏
実はコスト調整のために、リハーサルをもっとコンパクトにできないかと相談をしたことがあります。でも、そんな相談は間違いだったと、リハーサル現場で分かりました。準備に関わるスタッフが本番さながらのテンションで、生き生きとした様子でリハーサルに臨み、参加者に楽しんでもらいたい!という本気度が、当日の成功につながりました。事前準備から場の雰囲気を作りあげる重要性に気づかされた瞬間でした。運営を担う立場としてとても刺激を受けましたし、JCDと仕事をしてよかったと思える理由の一つです。
嶋村氏
こうして迎えた当日の運営や演出に、多くの参加者が好感を持ってくださり、参加者アンケートでは満足度が過去最高点でした。「お出迎えからお見送りまで、運営スタッフに活気が感じられて、『主役はあなたたちですよ』という心遣いを感じた」、「表彰式を体験したことで、エクセレント活動に積極的に関わろうという気持ちが芽生えた」などのコメントも多く寄せられ、「心の満足につながる称賛」を実現できたと感じています。
稲富氏
エクセレントショップ受賞店舗の密着映像も、大変好評でした。受賞店舗の取り組みやリアルな姿を通じ、マツダらしい店舗、マツダとしてありたい姿を参加者と共有したいとの思いで、映像の制作を依頼しました。後日販売店向けの研修用映像としても使用したいとの我々の希望に応え、まさにプロの仕事を見た感があります。単に優秀店舗の事例として終わらないよう、他店でも導入できそうな内容や考え方、工夫したポイントなどを整理、構成し、見る側が共感できる、まさに自分たちが目指すべき姿が理解できる映像を作っていただきました。
事例映像は、ともすれば「こうあるべき」と、メーカー側からの押しつけ的な内容になりかねません。そうではなく、実際の店舗のリアルを、共感ポイントを絞って分かりやすく伝えたことで、他の店舗にとって、自分たちが目指す姿をありありとイメージできるよい教材になり、「ありたい姿の共有」が実現できました。
式典が終わって数カ月たった今でも、社内でエクセレントショップ受賞店舗が話題に上り、店舗からは映像の共有希望の声が寄せられています。式典への「招待対象外の方への伝播」も実現できたのではないでしょうか。表彰は式典のための制度ではなく、日々の営業活動を支援するもの。営業成果として、これから効果が出てくると思うと、楽しみでなりません。
従来のからを破りたい!JCDは企業の声を聴き、豊富な知見でチャレンジを後押し
嶋村氏
社内イベントは、旧来のやり方を踏襲してパターン化しやすいものですが、JCDは従来の殻を破りたい、思い切って変革したいという企業の方にピッタリです。JCDは、相手企業を知る手間を惜しまず、相手をよく知ったうえで新たな挑戦を提案してくれるところがお勧めポイントです。私自身、JCDとの仕事を通じ、感度の高さや気づきの幅の広さに触れ、その手本に学びながら成長の階段をまた一つ昇れた気がします。
稲富氏
JCDのサポートにより、新しいアワードを通じて達成したい目的が果たせたことは、イベントの成功はもとより、私にとっても大きな成果となりました。世の中にはさまざまな代理店があり、いろいろなタイプの人がいます。そのなかで、「仕事抜きで友達になりたい」と思えるほど、信頼関係を築けるJCDのメンバーと仕事ができたことを、幸運に思っています。
マツダの皆様とJCDイベントプロデューサー石田晶子
<JCD担当プロデューサーコメント>
“個”から“チーム”へと大きく転換した節目となるイベントの企画に向き合うのは、言葉にできない程の苦しみの連続でした。
私が出席する立場としてイメージしながら、「晴れの舞台を仲間と喜びを分かち合う」表彰式のメインコンセプトやテーマ設定を行いました。「心の満足につながる称賛」、「ありたい姿の共有」、「招待対象外の方への伝播」というクライアントの要望に対して、「なぜ?」「どうして?」「どうやって?」と自問自答を繰り返し続けました。 新しいカタチの表彰式には、強いこだわりと愛情をかけて取り組みました。晴れの舞台をマツダの皆様と共に創りあげ、言葉にできないほどの「喜び」を感じることができました。
石田 晶子
ホスピタリティ・イベント業界20年以上。
通信、自動車、IT、保険、金融、製薬、不動産等々、様々な業界を担当し、最適なサービスを提供。
主な得意分野
アワードコンベンション/表彰式・インセンティブトリップ
キックオフイベント/全社会議・入社式
サービスコンテスト/株主総会・周年イベント 他
お客様情報
マツダ株式会社 様
- 所在地
- 広島県安芸郡府中町新地3番1号
- 設立
- 1920(大正9)年 1月 30日
- URL
- https://www.mazda.com/ja/
- 資本金
- 2,840億円