海外プロモーションの成功のカギを握る
効果的な海外でのイベント開催とは
オンラインイベント事例「講演会(同時通訳あり)篇」
昨今のコロナウィルス感染拡大防止の潮流を受け、イベント業界も開催中止・開催延期と自粛の動きが出ています。そのような状況下でも、経済活動を止めないために「3密」を避け、オンラインでの開催を決定されたイベント事例も多数あります。その中から、弊社で担当させていただいた事例をシリーズでご紹介いたします。
今回ご紹介するオンラインイベントは「講演会(同時通訳あり)」です。日本国内で開催された講演会ですが、海外演者も登壇され、同時通訳を必要とする講演会を担当させていただいた事例をご紹介いたします。
お客様のご要望
・遠隔個所から参加する演者に対しスムーズに講演いただけるようにしたい
・複数言語で開催されるため、同時通訳を提供したい
・同時通訳者も同通ブース内だと密になってしまうため、ブースではない空間を用意したい
当社からのご提案内容
オンライン講演会を開催する場合、講演者がオンラインで発表することが初めてというケースも多くあります。オンラインで発表する場合、講演者にとって、リアルイベントで体感する環境とは異なるため、ストレスが多くなることが予想されます。パソコンに向かって話すことにより、参加者のリアクションがわかりづらい孤独感、初めての配信ツールを利用することにより、本番でのトラブルの想定など、通常の講演会とは異なる部分に気を遣う必要があります。また、海外からの講演者が複数登壇するイベントの場合、同時通訳が不可欠となります。今回のお客様の要望はまさに、「講演者にストレスなく発表いただける環境をご提供したい」「リアルイベントで開催しているように、参加者に快適な言語で講演内容を視聴してもらいたい」というものでした。
■講演者にストレスのない講演環境を
本イベントは、複数の講演者が、リアルタイムにオンライン上で講演するというイベントでした。通常のリアルイベントでの講演会では、ステージ上に演台があり、そこに設定されたマイクを使って、クリッカーで講演スライドを送っていくというものになります。スライドの切り替えやマイクの調整等については、会場にいる映像・音響オペレーターが対応することがほとんどで、発表者は自身のスライド操作と発表内容に集中することができます。しかしオンライン開催の場合は、発表者の手元のパソコンから配信ツールに入っていき、配信ツール上で自身の発表スライドの共有を行い、マイクやスピーカーの接続も自ら行いながら発表をするという、従来の講演とは異なる部分に気を遣う必要がでてきてしまいます。そのためJTBコミュニケーションデザイン(JCD)では、イベント当日とは別に、発表者が快適に講演いただけるように配信テストと、オンラインでのリハーサル時間を設けただけでなく、一度も使ったことのないツールでもスムーズに利用いただける資料を作成し、安心して発表いただけるように提案をいたしました。
■同時通訳チャンネル切り換え方
複数言語で講演されるイベントの場合、参加者が母国語で発表内容を理解できるようにするために、同時通訳サービスを提供することが不可欠になります。このようなイベントを計画中のお客様から、オンラインイベントでの同時通訳はどのように行えば良いのか、という質問をよくいただきます。その場合は、講演会の場合それぞれの言語に応じた仮想の視聴ルームを設け、ネットを通じて英語の場合は常に英語、日本語の場合は常に日本語を視聴できるURLを提供するほか、同時通訳アプリを介して配信するという手段があります。通常のリアルイベントでは、参加者の都合に応じて、その場でお手持ちの同時通訳レシーバーのチャンネルを切り替えることで、即座にオリジナルの音声(発表者の音声)を聞いたり、通訳者の音声を聞いたりすることができます。今回はオンラインイベントでありながら、まさに、リアルイベントに近い形で、「参加者の都合で瞬時に言語を選択できる方法」をご提案させていただきました。本手法はセキュリティ用件等、お客様側でクリアできる条件付きとなりますので、お客様のご要望に沿って、最適な方法をご提案させていただきます。
■密を避ける同時通訳の方法
密を避けるというのは、参加者だけに限ったことではありません。国際会議等で欠かせない同時通訳者にとっても、密を避ける環境づくりが必要となります。今回のイベントでは、通常の同時通訳ブースをリアルの会場に設けるのではなく、同時通訳ブースより広めの会議室を遠隔のスペースに設定し、遠隔で同時通訳を行うという取り組みを実施しました。さらに、通訳者同士の飛沫がとばないよう、通訳者間にビニールシートを設置し、ソーシャルディスタンスの確保に努めました。